赤坂珉珉(乃木坂)
コシのある皮が餡の旨味をキャッチ。
ほとばしる肉汁を酢コショウで頬張る。
日本の焼き餃子の祖とされる渋谷〈珉珉羊肉館〉より暖簾分け、1965(昭和40)年開業の中華料理店。伸縮性のある皮に、はみ出んばかりの餡を詰めた餃子は、1日1,000個も出る。
蒸して焼く過程で溢れる大量の肉汁を封じ込められるのは、コシの強い生地が膨らむからこそ。大ぶりな餃子に、この店発祥とされる“酢コショウ”をつければさっぱりとした口当たりで、豚肉や白菜、ニラの旨味を存分に楽しめる。
焼き餃子1人前6個 660円。(寸)7.5cm、(皮)普、(ヒダ)8、(具)多。
中華 成光(神保町)
薬味が華やかに香る自家製の餡を、
薄皮が受け止める端正な味の一皿。
1955(昭和30)年の創業で、上海料理の老舗・神保町〈新世界菜館〉などで修業を積んだ現店主の花田高広さんで3代目。「粗挽き豚肉と手切りしたキャベツ、ニラで作る餡の食感まで楽しんでほしい」と、製麺所からは薄い皮を取り寄せる。
オイスターソースとラードが効いた餡は、こってりとした風味。ただショウガとネギの香味が鮮やかに立ち上がるため、脂っぽさはなく、町中華らしからぬ端正な後味だ。
焼き餃子1人前5個 450円。(寸)9.2cm、(皮)薄、(ヒダ)9、(具)普。
中華バル池湖(神泉)
杯を進める、クリスピーな薄皮に、
肉とキャベツの旨味がたっぷりと。
中華の名シェフ・脇屋友詞さんの下で修業を積んだ池田一樹さん。「酒に合うように」と香ばしくパリパリの食感を求め、製麺所から小麦の風味が強い薄皮を仕入れる。脂滴る豚バラ肉を使うぶん、長野県産キャベツは塩揉みして水気は少なめに。
噛むと肉汁が溢れ、焦げた薄皮の風味が食欲をそそる。酒のアテゆえ、ニンニク・ニラが多めだが、自家製のユズコショウダレにつけると、さっぱりとした後味に。
焼き餃子1人前4個 400円。(寸)7cm、(皮)薄、(ヒダ)7、(具)普。