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香ばしい焼き目が食欲をそそる。焼き餃子のお店3選〈岐阜屋〉〈餃子のハルピン〉〈中華珍満〉

カリッとした焼き目とモチモチの皮のギャップ。噛むと溢れる肉汁と野菜の甘味。包めば尊し、さては焼けばやんごとなき。旨味と愛情を皮に詰め、丁寧に焼き上げた3皿を紹介。

photo: Kazufumi Shimoyashiki / text: Koji Okano

岐阜屋(新宿)

製麺屋が営む町中華らしく、
小麦の旨味がにじむ焼き餃子。

新宿西口思い出横丁で、朝から飲める場所。元はラーメン店だが、現店主で製麺所も営む堤正秀さんが看板を譲り受け、町中華に変わった。うどんの原料の中力粉に、うどんの製法と同じく塩と冷水を加えて作る餃子の皮からは、馥郁たる小麦の香りが。

たっぷりの水で蒸し焼きにすると、適度にコシも出る。餡はキャベツを中心に、豚肉、ニラ、ショウガ、ニンニクの定番系。キャベツの濃厚な甘味は、郷愁を呼ぶ味わいだ。

岐阜屋(新宿)の焼き餃子

焼き餃子1人前5個 410円。(寸)6.5cm、(皮)普、(ヒダ)6、(具)普。

餃子のハルピン(三鷹)

焼き餃子で水餃子の食感を再現⁉
ヒダがないぶん、餡もたっぷりと。

中国・哈爾浜市から日本に嫁いだ店主・二宮千鶴さんの餃子は、現地の水餃子のごとく、ヒダがゼロ。小麦粉だけを冷水でこねると粘度が出るそうだが、水餃子に慣れ親しんでいるからこその技で、ヒダがないぶん、餡を詰め込める。

ニラ餃子には近隣の精肉店が粗く挽く国産豚肉がたっぷりと。じっくり蒸し焼きし、油は仕上げの時だけ。水餃子のようなツルツル食感だ。ショウガや醤油が香るのでそのままでも美味。

餃子のハルピン(三鷹)の焼き餃子

焼き餃子1人前6個 620円。(寸)10.5cm、(皮)厚、(ヒダ)無、(具)多。

中華珍満(御徒町)

コシがないから、口の中で溶ける。
未体験の軟らか食感を生む皮。

1950(昭和25)年創業の老舗の自信作「手のし餃子」の特徴はコシがゼロで、とろけるような食感の皮。強力粉を熱湯でこねたら、軟らかなまま分割、手でのばして生地にする。

営業中はのばす・包む・焼くの3人体制で、なるべく出来たてを提供。キャベツ、ニラなどの野菜が入った餡のふわふわ食感と合わさって、未体験の滑らかさだ。また蒸し焼きの時に投入されるラーメンスープの香味が、餡と皮の一体感を生む。

中華珍満(御徒町)の焼き餃子

焼き餃子1人前5個 550円。(寸)8cm、(皮)厚、(ヒダ)8〜9、(具)多。