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「ハードリカー大図鑑」グラッパ編。 搾りかすから絞り出す、凝縮された旨味

イタリア特産のグラッパは、ワイン造りの工程で生まれるヴィナッチャと呼ばれるブドウの搾りかすを発酵させ、蒸留して造られる。多くは樽熟成を行わないので、すっと消えるような後味から食後酒として好まれる。使われるブドウ品種はさまざまで、大らかなお国柄ゆえか製造方法に規定がなく、造り手の個性が大きく表れる。

Illustration: Shinji Abe(karera) / Photo: Shin-ichi Yokoyama / Text: Akio Mitomi, Chise Nisinoiri, Ryota Mukai / Edit: Kaz Yuzawa

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ロマーノ・レヴィ ドンナセルヴァーティカ
(ロマーノ・レヴィ)

伝説のグラッパ職人の意志を継ぐ、
愛好家も涙する一本。

2008年に逝去したロマーノ・レヴィの造りをファブリツィオ・ソブレロ氏が継承。直火式蒸留釜を使った伝統的な製法もそのまま。ブドウが凝縮された、濃厚で複雑な旨味。

グラッパ〈ロマーノ・レヴィドンナセルヴァーティカ〉
ロマーノ・レヴィ ドンナセルヴァーティカ | 50度、700ml。
写真は「Romano Levi Grappa 51.0 abv 1990」。

ポリ グラッパ バリーリ ディ サッシカイア
(ポリ蒸留所)

モダン・イタリアワインの雄、
サッシカイアのグラッパ。

カべルネ・ソーヴィニヨン、カベルネ・フランの搾りかすを使った辛口のフルボディ。オーク樽熟成を経て、スパイスとコクを感じさせる多層的なフレーバーが。

グラッパ〈ポリ グラッパ バリーリディ サッシカイア〉
ポリ グラッパ バリーリ ディ サッシカイア | 40度、500ml。

ノニーノ グラッパ モノヴィティーニョ モスカート
(ノニーノ)

業界に革新を起こした
単一品種のグラッパ。

単一品種の搾りかすを使う「モノヴィティーニョ」シリーズを発表しグラッパに洗練と固有性をもたらした革新派。こちらはマスカットのグラッパ。

グラッパ〈ノニーノ グラッパ モノヴィティーニョモスカート〉
ノニーノ グラッパ モノヴィティーニョ モスカート | 41度、700ml。

トレ ソーリ トレ グラッパ ディ ネッビオーロ
(ベルタ)

高級レストラン必携、
名門蒸留所が送り出す正統派の一本。

バローロ&バルバレスコのネッビオーロの搾りかすを使用。蒸留後7年3ヵ月間熟成させることで、アプリコットやチェリーのような芳醇な果実味を感じさせる。

グラッパ〈トレ ソーリ トレグラッパ ディ ネッビオーロ〉
レ ソーリ トレ グラッパ ディ ネッビオーロ | 43度、700ml。

カポヴィッラ グラッパ アマローネ
(カポヴィッラ)

看板もない蒸留所が生み出す、
独自製法のグラッパ。

オーダーメイドによる湯煎の蒸留設備を使用。高温になりすぎないため、デリケートなフルーツのアロマを引き出す。最高級赤ワインと名高いアマローネの搾りかすを使用。

グラッパ〈カポヴィッラ グラッパアマローネ〉
カポヴィッラ グラッパ アマローネ |41度、500ml。

Column

ロマーノ・レヴィを知っていますか?

伝説のグラッパ職人と呼ばれたロマーノ・レヴィ。
頑なに昔の製法を貫いた造り手で、そのグラッパは神品とも称された。「グラッパはプレゼントするもの」との思いを込め、ラベルはすべて本人の手描き。逝去後も、その温かな愛らしさがファンの心を離さない。

伝説のグラッパ職人と呼ばれたロマーノ・レヴィ

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