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グルマン温故知新:吉祥寺〈中國菜 四川 雲蓉〉ひたすら四川料理を探求する期待の新星

テーマごとにレストランを紹介するブルータスの人気連載。今回のテーマは「中国温故知新」。中国料理の歴史と伝統に深く魅せられた料理人が、先達や師匠への感謝と尊敬の念を込めつつ開いた店。そこでは教わってきたことをしっかりと踏襲しつつ、一国一城の主である自身の解釈をひとさじ加えた"温故知新"な料理を味わえます。

Photo: Shin-ichi Yokoyama / Text: Haruka Koshihara

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中國菜 四川 雲蓉(吉祥寺)

ひたすら四川料理を探求する期待の新星。

「小学校6年間の自由研究は、毎年『中国料理の実習レポート』でした」。オーナーシェフの北村和人さんは子供の頃から、“中華の神様”こと陳建民さんの料理本を読みあさっていたという。15歳で中国料理店に就職すると、さらにその世界に傾倒。21歳の時には東京の四川料理を代表する〈龍の子〉に入り、名人・安川哲二さんに学んだ。すっかり四川の味に魅せられ、28歳で四川省・成都へ。尊敬するレストランオーナー・温星さんの店〈芙蓉凰花园酒楼〉で2年間、成都の伝統料理や郷土料理をみっちり学んだ。

帰国後は、〈中國菜 老四川 飄香〉などを経て、昨年地元・吉祥寺に自身の店をオープン。今やポピュラーな四川麻婆豆腐から、写真の「雪花鶏淖」のような伝統料理まで、一人で作っているのが信じ難いほど幅広いメニューを揃える。地元の野菜を使うなど、日本の風土に合わせたアレンジも加えつつ、師匠直伝の味を真っすぐに伝える。

吉祥寺〈中國菜 四川 雲蓉〉オーナーシェフの北村和人さん
コックピットのような厨房の中“ワンオペ”で日々奮闘する北村さん。
吉祥寺〈中國菜 四川 雲蓉〉店内
成都の街角のそば屋にある鳥かごを照明のシェードに。

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