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グルマン温故知新:目白〈蕎麦おさめ〉情緒に富む都心の古民家で、ゆるり蕎麦を手繰る

テーマごとにレストランを紹介するブルータスの人気連載。今回のテーマは「蕎麦にちょっと新しい風」。蕎麦好きの多くは昼間っから飲めることを至福の喜びとする。それって酒好きなんじゃ?いやいや、蕎麦が好きだから酒が旨いのだ。一人手酌で、あるいは友と酌み交わし、蕎麦を手繰れば、きっとわかる。旨い酒に旨い蕎麦。これぞ大人のタシナミってもんである。

photo: Yuji Hata / text: Michiko Watanabe

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蕎麦おさめ(目白)

情緒に富む都心の古民家でゆるり蕎麦を手繰る

目白通りから裏路地に入る。石畳の道の脇に、フッと暖簾(のれん)が現れる。こんなところにこんな渋い仕舞(しも)た屋があったとは。

「西麻布から移転する際、古民家がいいとは思っていたんですけど、まさか都心にこんないい物件が出るとは」と、店主・納(おさめ)剣児さん。元は茶道の先生宅だったそう。床暖房や二重サッシで防寒するなど、元の雰囲気を残しつつ、細やかな改装を施した。風情あふれる店内だ。

昼席ならば、きちんと手を入れた庭を眺めつつ、夜ならば、壁に掛かった浮世絵や骨董の壺を眺めつつ、一献。つまみは、「蕎麦屋の一品」と書かれたメニューから。焼き味噌や板わさなど、安心のスタンダード系ラインナップ。

日本酒、焼酎はもとより、シャンパーニュ、白・赤ワインとドリンクも充実。適度に飲んだら〆の蕎麦へ。冷たい蕎麦は、せいろ、粗挽き、玄挽き、と通好みの並び。温かい蕎麦も3種用意。蕎麦の余韻に包まれながら、店を後にしよう。

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