蕎麦おさめ(目白)
情緒に富む都心の古民家でゆるり蕎麦を手繰る
目白通りから裏路地に入る。石畳の道の脇に、フッと暖簾(のれん)が現れる。こんなところにこんな渋い仕舞(しも)た屋があったとは。
「西麻布から移転する際、古民家がいいとは思っていたんですけど、まさか都心にこんないい物件が出るとは」と、店主・納(おさめ)剣児さん。元は茶道の先生宅だったそう。床暖房や二重サッシで防寒するなど、元の雰囲気を残しつつ、細やかな改装を施した。風情あふれる店内だ。
昼席ならば、きちんと手を入れた庭を眺めつつ、夜ならば、壁に掛かった浮世絵や骨董の壺を眺めつつ、一献。つまみは、「蕎麦屋の一品」と書かれたメニューから。焼き味噌や板わさなど、安心のスタンダード系ラインナップ。
日本酒、焼酎はもとより、シャンパーニュ、白・赤ワインとドリンクも充実。適度に飲んだら〆の蕎麦へ。冷たい蕎麦は、せいろ、粗挽き、玄挽き、と通好みの並び。温かい蕎麦も3種用意。蕎麦の余韻に包まれながら、店を後にしよう。