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グルマン温故知新:八丁堀〈椎數莊〉。〈ヨヨナム〉などを手がけるヤマモトタロヲさんの新店

テーマごとにレストランを紹介するブルータスの人気連載。今回のテーマは「アジアン酒場ナチュラル派」。ベトナム料理やアジア屋台料理店のヒットメーカーが新たな店を提案。「ナチュラルワインと」というのが今の東京らしい。「エスニック」とは違う、各国の食文化を掘り下げた味をあれこれ気軽に。

photo: Shin-ichi Yokoyama / text: Kei Sasaki

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椎數莊(八丁堀)

ベトナム、台湾屋台……。カクテルも充実

代々木公園界隈で数々の繁盛店を手がけるヤマモトタロヲさんの新店。ベトナム料理〈ヨヨナム〉やアジアの屋台料理の店〈ピポンペン〉へ遠方からも多くのゲストが訪れることから、東東京への出店を決めた。

銀座や東京駅からも好アクセスの場所ながら、荒川水系の亀島川が隅田川と合流するリバーサイドは、どこか昭和なムード。築60年超え物件の“そそる怪しさ”もさすがのセンス。

料理は先述の2軒のいいとこどり。フレッシュハーブや柑橘を贅沢に使い現地の味を洗練させたベトナム料理はもちろん、ジャンクなムードが漂う台湾屋台名物・鶏排(ジーパイ)なども、すべて無化調。

エビ味噌風味の混ぜご飯など、タイの味も加わった。爽やかな香りや酸味、発酵調味料の旨味が生きた味は、ナチュラルワインと相性抜群で、ハーブや中国茶を使ったアジアンカクテル、モクテルもいろいろと死角なし。地域に根ざしつつ、東京中から人を呼びそうだ。

八丁堀〈椎數莊〉の荒木貴光さん
ヤマモトさんの右腕として数々の店を立ち上げてきた荒木貴光さんが厨房に。
八丁堀〈椎數莊〉の店内
古いビルの構造を生かしたアジアな雰囲気。

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