椎數莊（八丁堀）
ベトナム、台湾屋台……。カクテルも充実
代々木公園界隈で数々の繁盛店を手がけるヤマモトタロヲさんの新店。ベトナム料理〈ヨヨナム〉やアジアの屋台料理の店〈ピポンペン〉へ遠方からも多くのゲストが訪れることから、東東京への出店を決めた。
銀座や東京駅からも好アクセスの場所ながら、荒川水系の亀島川が隅田川と合流するリバーサイドは、どこか昭和なムード。築60年超え物件の“そそる怪しさ”もさすがのセンス。
「カオクルックカピ」エビの発酵調味料・カピを使ったタイ風混ぜご飯は、〈椎數莊〉の名物。揚げ干しエビ、錦糸卵、パクチー、豚の甘辛煮に加え、キュウリ、インゲン、アーリーレッドや紫キャベツのマリネなど野菜、ハーブも山盛り。がしがし混ぜて、プリッキーヌ（タイの唐辛子）やエビ味噌で味変しながら食べる。1,400円。 
「蒸し鶏のパクチーサラダ」ゴイガー（ベトナム風チキンサラダ）をベースにした一品。蒸し鶏にフレッシュミントやパクチーを合わせ、ピリ辛のヌクチャムドレッシングとライムを添えて。フレッシュな白ワインをよく冷やして合わせたい。900円。 
「台湾屋台のスパイシー鶏排」台湾のストリートフード・鶏排の〈椎數莊〉版。鶏むね肉を叩いてニンニク、ショウガ、五香粉で味をつけ、からりと揚げる。衣が軽く、粉唐辛子の辛さもリズムよく、わらじとんかつばりの一枚もペロリといける。900円。
料理は先述の2軒のいいとこどり。フレッシュハーブや柑橘を贅沢に使い現地の味を洗練させたベトナム料理はもちろん、ジャンクなムードが漂う台湾屋台名物・鶏排（ジーパイ）なども、すべて無化調。
エビ味噌風味の混ぜご飯など、タイの味も加わった。爽やかな香りや酸味、発酵調味料の旨味が生きた味は、ナチュラルワインと相性抜群で、ハーブや中国茶を使ったアジアンカクテル、モクテルもいろいろと死角なし。地域に根ざしつつ、東京中から人を呼びそうだ。
