SES（渋谷）
リストランテ級の料理をワインとカジュアルに
シェフの榎大輔さんとソムリエの小池純平さんはイタリアンレストランの名店〈カノビアーノ〉出身。苦楽を共にした盟友がWでオーナーに。オープン間もなくから出足は上々だ。
メニューはシェアスタイルのアラカルトがメイン。季節感に力点を置き、「旬の食材を追いかける」と言い切るほど。食べさせたい素材を明確にしながら、リストランテのように作り込むのが榎さんの得意とするところ。
「フランス・シャラン産鴨肉のサルシッチャ 根菜のミネストラ」 鴨のもも肉100％使用。エビイモ、金時ニンジン、白ニンジンに鴨と相性の良い九条ネギを合わせるアレンジは、〈カノビアーノ〉での修業の賜物。トマトソースとニンニクオイルを煮詰めたペースト、エストラット・ディ・ポモドーロがアクセント。¥4,200。価格は2名分、写真の料理は1名分。 
「鰆と菜の花の軽いマリネ」 シェーブルチーズのソース。NY時代の差し入れだったというアジのマリネとサワークリームをヒントにした一皿。ヤギのミルクで作る爽やかな酸味のシェーブルチーズと菜の花、ウイキョウの食感が渾然一体に。¥2,800。価格は2名分、写真の料理は1名分。 
「ホタルイカとカラスミのイカスミスパゲッティーニ」 春を告げる海の幸、富山県産のホタルイカが主役。カラスミの風味に、ソテーした空豆がホクホクとして心地よいアクセントをもたらす。スパゲッティーニをリゾットにもできるメニュー構成も面白い。¥3,400。価格は2名分、写真の料理は1名分。
例えばサワラはホワイトバルサミコとドライトマトを煮出した液体でマリネに。北欧料理から発想し、国産食材で自由度の高いアレンジを施すあたりはNY〈バスタパスタ〉と古巣〈カノビアーノ〉での経験の賜物だ。
「何かしら」必ずオンメニューするのがサルシッチャ。肉はペーストに挽き肉、手切りの肉などを合わせ、四季折々のアレンジを楽しませる。おいしさのパズルを埋める最後のピースは、小池さんセレクトのワイン。1皿1杯のペアリングを推奨！
