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グルマン温故知新:月島〈酒房蛮殻〉 ちょっと一杯、で終われない魅惑のホッピー酒場

テーマごとにレストランを紹介するブルータスの人気連載。今回のテーマは「なかむら一門」。多くの名店を手がけるプロデューサー・中村悌二さんのもとを巣立ち、活躍する店主が、新たな一手を打った。月島の路地裏で極上のホッピーと酒肴をサクッと楽しむお店です。

photo: Yoichiro Kikuchi / text: Haruka Koshihara

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酒房蛮殻(月島)

ちょっと一杯、で終われない魅惑のホッピー酒場。

〈酒亭 沿露目〉〈酒肆一村〉と、いずれも一本筋の通った酒場を門前仲町で営んでいる大野尚人さん。今年1月、月島の路地裏にある長屋で新たに開いたのは「酒亭」「酒肆」同様に“酒場”を指す、「酒房」を屋号に冠した立ち飲み店だ。

日本酒専門の〈沿露目〉、多様なレモンサワーで楽しませる〈一村〉に続く3軒目の主役は、ホッピーとシウマイ。研究を重ねて完成した、題して“極東ホッピー”はその温度が肝、と大野さん。ホッピー・焼酎・グラスを冷やす「三冷」は当たり前。仕上げに、管まで冷やせるビールサーバーでキリッと冷たい生ビールの泡をのせることで、飲み飽きず、つい盃を重ねてしまう味わいに。

「ホッピーには肉が合うと思うので」と、看板料理はふっくら熱々のシウマイ。加えて、品書きには馴染みがあり魅力的なお惣菜も並ぶから、立ち飲みで長っ尻は無粋と知りつつ、あれもこれもと欲張りたくなる。

月島〈酒房蛮殻〉のスタッフ
スタッフは全員、バーコート+蝶ネクタイ姿。
月島〈酒房蛮殻〉店内
年季の入った長屋をリノベーション。無垢な白木を多用した店内は手作り感が。

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