nerisa（西小山）
地元・埼玉の食材で紡ぐ旬産旬消のイタリア料理。
学芸大学〈リ・カーリカ〉のオープニング当初から、同グループで腕を磨くこと8年。それ以前にはイタリア・ピエモンテの1ツ星でも経験を積んだオーナーシェフの田中隆照さん。
「イタリアンは郷土性があり家庭的。その土地にある食材で料理をシンプルに組み立てるスタイルとカジュアルさが肌に合う」ようでそのスタンスをなお貫く。
「蕗のとうを挟んだ入間地豚のコトレッタ」 埼玉県入間市の金子・二本木地区を中心に、良質の水と自家配合飼料によって育てられる〈入間の地豚〉。脂身は甘味があり、火が入っても肉質は軟らか。フキノトウ、ケイパー、アンチョビを合わせたペーストを挟んで、細かなパン 粉で食べ応えのあるカツレツに。クリスタルソルトとレモンを添えて。¥2,800。 
「チュッピン」 リグーリア風魚介スープ。この日はホウボウでエラとワタ以外すべて使用。香味野菜と炒めて白ワイン、水で煮込み裏漉し。芽キャベツや空豆など焦げ目がおいしい春野菜を合わせて。ペーストに近い濃厚な仕立て。¥1,500。 
「アニョロッティ ダル プリン 黒トリュフ」 詰め物は色々なお肉で。仔牛、豚、鹿とその都度あるものを取り入れる。仔牛のだしとバルサミコを煮詰めてコクを出したソースに、黒トリュフをたっぷりと。ワインが欲しくなる塩味と旨味のパンチを効かせて。¥2,000。
突き出しのスープにスタメン起用するのは、地元・埼玉県小川町で有機農法を実践する〈横田農場〉の新鮮野菜。ほかにも近隣他市の生産者を訪れ、選りすぐった牛肉や豚肉など素材は生命線だ。この時期のメインディッシュは〈肉の登美や〉が手塩にかけて育てた入間の地豚。フキノトウを挟んだカツレツは、日本料理で言うところの「出会いもの」。相性抜群の組み合わせで春爛漫の味わいに心が弾む。
得意の手打ちパスタにしても創作はせずに、イタリアンの枠は外さない。それでいて気張らずフラットな雰囲気もいい感じ。
