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グルマン温故知新:東長崎〈飲食店さんずい〉魚料理とさらりとしたスパイスカレーで燗酒を

テーマごとにレストランを紹介するブルータスの人気連載。今回のテーマは「スパイスつまみと自由なカレー。ワインと燗酒と」。フリースタイルな居酒屋で、カレーがメニューのトリを飾る、スパイスカレーと燗酒の新境地。和食の技が生きたつまみも抜群で、〆に辿り着くまでもとびきり楽しい。

photo: Shin-ichi Yokoyama / text: Kei Sasaki

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飲食店さんずい(東長崎)

魚料理とさらりとしたスパイスカレーで燗酒を

「銀座」の名がつく駅前商店街で、鮮やかなターコイズグリーンの外観が目を引く。池袋駅周辺エリアではまだ珍しい、純米燗酒とナチュラルワイン、クラフトビールの酒場だ。

主は、銀座〈六雁〉や富ヶ谷〈酒坊主〉で修業した鈴木淳さん。繁盛店で鍛えた和食の技術とセンスを武器に、界隈に新風を吹き込む。

炙(あぶ)り締めサバに真鯛のカルパッチョ、カツオのたたきなどの魚つまみは、15席の小箱と思えぬ充実ぶり。熟成やヅケなどの技法を駆使し、旬の野菜と合わせて一皿に仕立てる。そこに〈酒坊主〉に学んだスパイス料理が加わる楽しさたるや。スパイスカレーは、魚介や野菜の旨味を生かして、辛さはごく控えめ。〆にはもちろん、燗酒と合わせれば香りがじわり広がる。

大衆店が多い町で「日常の場に」と、つまみはほぼ3ケタ価格!オールドボトルも揃うウイスキーやレコードのBGMなど、場作りのミックス感も秀逸で、足を延ばす価値アリだ。

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