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グルマン温故知新:駒沢大学〈おさだ〉世田谷の住宅街に溶け込む、コージーな酒場

テーマごとにレストランを紹介するブルータスの人気連載。今回のテーマは「小上がりかコの字か」。酒場をこよなく愛する男が、“名店”と謳われる老舗での修業を経て独立。夢を形にした店を開いた。酒場好きに愛される“止まり木”になる予感が。

photo: Shin-ichi Yokoyama / text: Haruka Koishihara

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おさだ(駒沢大学)

世田谷の住宅街に溶け込む、コージーな酒場

2022年7月、駒沢大学エリアに、彗星のごとくオープンした〈おさだ〉。店主の長田悠助さんは、一度は〈ムッシュヨースケ〉に勤めるも「フレンチも好きだけれど、もっと身近な居酒屋で働きたい」と方針転換。

欠員が出るのを待って昭和11(1936)年創業の名酒場、自由が丘〈金田〉に入り、7年間経験を積んだ。その後、学芸大学〈いりこ屋〉で店長まで務め、独立に至ったという。

カウンターの厨房に立つのは長田さん1人。ワンオペを想定し、すぐ出せる料理と火を使う料理でメニュー構成した。とはいえ品数は40超。〈金田〉仕込みの肉豆腐や馴染みの仲卸から仕入れる魚介類もあれば、まかないで好評だった中華惣菜もあり、いずれも確かな腕を物語る。

店奥には念願だったという、小上がりが。料理を盛る器には、姉で陶芸家の長田佳子さんの作品が多数。長田さん、開業に際して「姉の器に料理を盛りたい」という夢も実現した。

駒沢大学〈おさだ〉の店主の長田悠助さん
次々に入る注文に手際よく対応する長田さん。
駒沢大学〈おさだ〉の店内
昭和レトロな照明の傘や小上がりの襖が、昔懐かしい雰囲気を醸し出す。

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