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グルマン温故知新:外苑前〈malca〉自由度の高さが、食いしん坊のツボを突く

テーマごとにレストランを紹介するブルータスの人気連載。今回のテーマは「パスタ好きが高じて……」。イタリア料理人を志したきっかけは、「パスタが好きだったから」という新鋭の店。薪焼きの肉が名物の店での修業経験を引っさげて、堂々の独立だ。

photo: Kanako Nakamura / text: Haruka Koishihara

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malca(外苑前)

自由度の高さが、食いしん坊のツボを突く

オープンキッチンで陣頭指揮を執るシェフの北野司さんと、サービスを担当するマネージャーの黒澤英吾さんは、実は兄弟。“食材の宝庫”といわれる淡路島出身で、祖父は鮮魚店を経営。代替わりした現在は家族がイートインも可能な魚屋さんを営み、と、食に縁深い環境で育った。

北野さんは大阪のイタリアンに4年勤務した後、東京・代官山の〈TACUBO〉で4年間スーシェフを経験。異業種から転身した兄と、満を持して店を開いた。

「自分自身食べ歩きが好きで、アラカルトのお店に行くことが多いから」と、自由に料理を選べるアラカルト主体に。自身が「おいしい」と思うものなら、マグロのタルタルなどイタリアの伝統にとらわれない品も並ぶ伸びやかなメニューには、故郷・淡路島をはじめ各地から選んだ食材名がちりばめられている。

店名は、祖父・嘉平さんの店の愛称“マルカ(◯の中にカ)”から。故郷と家業とを誇りに思う気持ちがこもっているのだ。

外苑前〈malca〉のシェフ 北野司さん
肉を焼きつつパスタも仕上げる北野さん。
外苑前〈malca〉の店内
カウンター主体で、テーブル席は個室仕様。店は、外苑西通り沿いのビルの地下に。

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