笠井(都立大学)
料亭級の産直食材も、イタリアンの一皿に。
チャイニーズレストラン〈わさ〉の移転後、オープンしたイタリアン。シェフの笠井篤さんは品川〈アロマクラシコ〉、代官山〈TACUBO〉といった名店に、イタリアではヴェローナ、ミラノで腕を磨いた有望株だ。
日本各地の産直食材で、主力のコースを組み立てる笠井さん。広島の牡蠣や岐阜から生きたまま届くホンモロコはフリットに。黒毛和牛は得意の炭火焼きで本領発揮。素材の持ち味を活かすからこそ旨味のある食材を仕入れ、調理は極力シンプルに。塩も「一向に減らない」ほど控えめだが、旨さの輪郭ははっきりと。その塩梅がすごいのなんの。
料亭で扱うようなホンモロコや自家製からすみがある一方、太麺パスタのピーチには豚肉&キャベツ。その心は「回鍋肉があるように合わないわけがない」とも。身近な食材で驚きのおいしさに。それでこそレストランの価値がある、と胸を張る。「魚卵に強いシェフ」を目指し、キャビアを絶賛仕込み中!