JINBO MINAMI AOYAMA(表参道)
野菜の旬を知り尽くした料理人の新たなステージ
野菜にフォーカスしたイタリアン〈HATAKE AOYAMA〉で総料理長を務め、“野菜の名手”と謳われるシェフ・神保佳永さんがこの春、南青山の住宅街に自身の名前を冠した店を開いた。
日本各地の生産者を直接訪ね、築いた関係性の結晶を、一皿一皿に落とし込む。旬を迎えた土地から届く30種の野菜を様々な調理法で仕立てるスペシャリテ「バーニャカウダ」はその最たるもの。ご存じ、生野菜にアンチョビやニンニクのソースをつけて食す、イタリア・ピエモンテ地方の郷土料理だ。ここでは〈カマチ陶舗〉に特注したプレートに美しく盛られ、ソースとハーブオイルを別立てに。皮や端っこもチュイルに加工し、余すことなく使い切る。
この皿はディナータイム限定。毎日、生産者から届きたての野菜を使うため、ランチには間に合わないから。“食材ありき”との姿勢の表れだ。デザートに至るまで野菜が使われ、どの皿にも季節の息吹が感じられる。