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グルマン温故知新:表参道〈JINBO MINAMI AOYAMA〉野菜の旬を知り尽くした料理人の新たなステージ

テーマごとにレストランを紹介するブルータスの人気連載。今回のテーマは「SDGsコンシャス」。「SDGs」という言葉がすっかりお馴染みになった今、食品ロスの問題や地球環境の保全は決して他人事(ひとごと)ではない。そうした社会情勢に心を寄せながらも、楽しくおいしい時間を過ごせるスマートな店は、これからのスタンダードになる予感が。

photo: Shin-ichi Yokoyama / text: Haruka Koshihara

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JINBO MINAMI AOYAMA(表参道)

野菜の旬を知り尽くした料理人の新たなステージ

野菜にフォーカスしたイタリアン〈HATAKE AOYAMA〉で総料理長を務め、“野菜の名手”と謳われるシェフ・神保佳永さんがこの春、南青山の住宅街に自身の名前を冠した店を開いた。

日本各地の生産者を直接訪ね、築いた関係性の結晶を、一皿一皿に落とし込む。旬を迎えた土地から届く30種の野菜を様々な調理法で仕立てるスペシャリテ「バーニャカウダ」はその最たるもの。ご存じ、生野菜にアンチョビやニンニクのソースをつけて食す、イタリア・ピエモンテ地方の郷土料理だ。ここでは〈カマチ陶舗〉に特注したプレートに美しく盛られ、ソースとハーブオイルを別立てに。皮や端っこもチュイルに加工し、余すことなく使い切る。

この皿はディナータイム限定。毎日、生産者から届きたての野菜を使うため、ランチには間に合わないから。“食材ありき”との姿勢の表れだ。デザートに至るまで野菜が使われ、どの皿にも季節の息吹が感じられる。

表参道〈JINBO MINAMI AOYAMA〉シェフの神保佳永さん
繊細な盛り付けもお手のものの神保シェフ。
表参道〈JINBO MINAMI AOYAMA〉店内
天然素材の塗り壁にアンティークのメタルアートを飾り、邸宅を思わせる空間。

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