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グルマン温故知新:秋葉原〈fileja〉打ちたてパスタ主体のおまかせコースで勝負

テーマごとにレストランを紹介するブルータスの人気連載。今回のテーマは「プリモピアット」。プリモピアットとは、前菜とメインの間に食べるパスタやリゾットのことだが、それを柱にした新店が相次いで登場。コース一本のスタイルで、ロケーションは東京の東側。地域と次世代イタリアンをリードする店になるか。

Photo: Naoki Tani / Text: Kei Sasaki

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fileja(秋葉原)

打ちたてパスタ主体のおまかせコースで勝負。

料理はコース一本で、約10皿の料理の半分をパスタが占める。トルテッリなどの詰め物系にロング、ショートと一通り出て、締めがスパゲッティ。北から南まで、「パスタで旅するイタリア」といったところ。

東京イタリアンの重鎮、九段下〈トルッキオ〉の林亨シェフに師事し、パスタの面白さに目覚めたという実山勝一シェフ。郷土性や多彩さに加え学んだのは、出来たてのおいしさ。その“イズム”を継承すべく、生地をのばし、成形するところから調理を始める劇場型だ。

パスタはもちろん、肉や魚介のラグーソースも、軟らかく火を入れてほぐすアナログな手仕事が、優しい味わいに表れている。レストランのイメージが薄いエリアへの出店は、あえての選択。

イタリアの職人にオーダーした素朴な皿と、ずらりと並ぶシャンパーニュから始まるワインリストのギャップも面白く、脈絡なく詰め込まれた“好き”が、店のオリジナリティになっている。

秋葉原〈fileja〉実山勝一シェフ
実山シェフ。カウンターでパスタを仕上げ、一つ一つ丁寧に説明。
秋葉原〈fileja〉店内
ブロックやコンクリートの質感を生かしたインテリア。

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