fileja(秋葉原)
打ちたてパスタ主体のおまかせコースで勝負。
料理はコース一本で、約10皿の料理の半分をパスタが占める。トルテッリなどの詰め物系にロング、ショートと一通り出て、締めがスパゲッティ。北から南まで、「パスタで旅するイタリア」といったところ。
東京イタリアンの重鎮、九段下〈トルッキオ〉の林亨シェフに師事し、パスタの面白さに目覚めたという実山勝一シェフ。郷土性や多彩さに加え学んだのは、出来たてのおいしさ。その“イズム”を継承すべく、生地をのばし、成形するところから調理を始める劇場型だ。
パスタはもちろん、肉や魚介のラグーソースも、軟らかく火を入れてほぐすアナログな手仕事が、優しい味わいに表れている。レストランのイメージが薄いエリアへの出店は、あえての選択。
イタリアの職人にオーダーした素朴な皿と、ずらりと並ぶシャンパーニュから始まるワインリストのギャップも面白く、脈絡なく詰め込まれた“好き”が、店のオリジナリティになっている。