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グルマン温故知新:渋谷〈dots〉日常的な「家郷菜」で名店の味をもっと気軽に

テーマごとにレストランを紹介するブルータスの人気連載。今回のテーマは「ベテランチャイニーズの新機軸」。チャイニーズシーンを第一線で牽引するベテランシェフが新業態店をプロデュース。セカンドラインに位置づけ、間口を広げる渋谷の店。豊富なアイデアと四千年の歴史は侮るなかれ。

Photo: Yoichiro Kikuchi / Text: Mamiko Kume

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dots(渋谷)

日常的な「家郷菜」で名店の味をもっと気軽に。

Wakiyaグループのオーナーシェフであり、アイアンシェフで知られる脇屋友詞さん。東京・赤坂にある自店の料理をベースにしながら、より気軽に味わえる新店をオープンした。

料理長に抜擢された平賀大輔さんは生粋のWakiya育ち。中国の家庭料理をベースにした家郷菜(ジャーシャンツァイ)を謳い、驚きのあるプレゼンテーションで楽しませる。スタートは、素材も味つけも様々な小皿料理を盛り合わせた「9皿の前菜」を。メインは千葉県いすみ市〈ファームあき〉のオーガニック野菜や魚介を中国茶と石で蒸し上げる「特製蒸籠」を。

「脇屋シェフが20年前に考案した名物で、当時は石を焼く係でした」と笑う平賀さん。蒸気の音や立ち上る香りも存分に満喫でき、ごちそう感も半端なし。

料理人がホールのサービスを兼ねるというスタイルも、ベテランシェフのアイデアから。気取りのないポップなチャイニーズは、渋谷の街にすっと馴染む。

渋谷〈dots〉料理長の平賀大輔さん
キャリア22年、脇屋さんとメニューを考案する料理長の平賀大輔さん。
渋谷〈dots〉店内
白とグレーを基調にポップな色使いが楽しい店内。

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