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グルマン温故知新:国領〈CRAZY PIZZA〉コースからのスピンオフ、テイクアウトも

テーマごとにレストランを紹介するブルータスの人気連載。今回のテーマは「クセが強い2号店」。イタリアンの人気店が出したピザ専門店。一点特化型の店で目指すのは、"とびきりのカジュアル"。「地域の日常から、食の現場を変えたい」と息巻く、若き店主の心意気があふれ出す店は、理屈抜きに楽しい。

Photo: Naoki Tani / Text: Kei Sasaki

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CRAZY PIZZA(国領)

コースからのスピンオフ、テイクアウトも。

食通たちが都心から足を運ぶ国領のイタリア料理〈ドン ブラボー〉の平雅一シェフが、コースの“締め”として人気を博すピッツァの専門店をオープン。フードメニューは、テイクアウトもできるピッツァのみ。潔い。

生地は〈ドン ブラボー〉と同じ。国産の強力粉と全粒粉をブレンドし、タマネギの旨味を加えて天然酵母で発酵させる。薪窯焼きだが、軽やかで粉の香りが際立つナポリピッツァのガストロノミー的解釈だ。ここに、マルゲリータならチーズを多めにのせ、1枚で満足できる味に。

「マヨコーン」のような宅配チェーン的メニューも、自家製サルシッチャでリッチに仕上げる。

「親しみやすい食べ物で、きちんと作られたものの味を伝えられたら」と、あえて「ピザ」を店名に。流通に乗らない野菜などを利用した子供限定のピザを1カット¥100(税込み)で販売する試みも。飾りっ気ない店内は工場さながらのクールさだが、思いは薪火のようにアツいのだ。

国領〈CRAZY PIZZA〉の藤井淳利さん。
〈ドン ブラボー〉でスーシェフを務め、新店を任された藤井淳利さん。
国領〈CRAZY PIZZA〉店内
元新聞の販売所の建物。窯は岐阜の職人によるもの。

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