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グルマン温故知新:虎ノ門ヒルズ〈Attivo〉大器晩成型シェフの、待望の独り立ち

テーマごとにレストランを紹介するブルータスの人気連載。今回のテーマは「パスタ好きが高じて……」。イタリア料理人を志したきっかけは、「パスタが好きだったから」という新鋭の店を紹介。“元祖・予約が取れない店”&シチリア料理の超人気店での修業経験を引っさげて、堂々の独立だ。

photo: Kanako Nakamura / text: Haruka Koishihara

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Attivo(虎ノ門ヒルズ)

大器晩成型シェフの、待望の独り立ち

店は、虎ノ門ヒルズに程近いビルの1階。ブルーグレーを基調にした内装が落ち着いた雰囲気を漂わせるが、カウンターに立つオーナーシェフ・坂川光平さんは、とっても朗らかだ。

2000年代に“予約の取れない店”として人気を博した〈アロマフレスカ〉の系列店〈アロマクラシコ〉での8年間の修業を経て、これまた繁盛店の〈トラットリア シチリアーナ・ドンチッチョ〉に2年在籍。その後、元麻布〈アルヴェアーレ〉で5年料理長を務め、遂に独立した。

料理を一人で手がけているとあって、メニューは厳選。料理名こそ「アマトリチャーナ」「ズッパディペッシェ」などスタンダードなものでも、坂川さん流の工夫が施され、それが一品ごとの印象を深める。

著名な装丁家・坂川栄治氏を父に持つ坂川さん。開業を待たずして急逝されたが、愛用のテーブルや撮影した写真など、お父さんのセンスが店のそこここに。光平さん、頑張ってますよ。

虎ノ門ヒルズ〈Attivo〉オーナーシェフの坂川光平さん
「お客様と話すのが好き」という坂川さん。カウンター席は念願だった。
虎ノ門ヒルズ〈Attivo〉店内
シックな空間は、姉で装丁家の朱音さんが手がけた。

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