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グルマン温故知新:中目黒〈ADI〉季節感あふれるモダン・ネパール料理

テーマごとにレストランを紹介するブルータスの人気連載。今回のテーマは「スパイスはコースで」。ネパール人シェフが営む新感覚ネパール料理。スパイス料理の新しい可能性を示す新店が、中目黒に。満足度の高い"アラウンド5,000円"のコースで、芳しき美味の旅へ。

Photo: Naoki Tani / Text: Kei Sasaki

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ADI(中目黒)

季節感あふれるモダン・ネパール料理。

間借り店舗での営業で人気を博した麻布十番〈アディカリ―〉のネパール人シェフ、アディカリ・カンチャンさんが実店舗をオープン。チャイとラッシースタンドを併設、平日は¥1,200のダルバート(定食)ランチありと間口の広い店だが、真骨頂を味わうなら夜のコースが推し。

ネパール料理の定番を組み込みながら、モダンな仕立てで、そのイメージを覆していくのがコースの狙い。ストリートフードのパニプリは、梅のような酸味を効かせて、モモには赤パプリカやトマトのソースを添えて、という具合に。在日歴10年、居酒屋やフランス料理店で日本の食のシーンの多彩さと食材の豊かさを学んだ経験が、うまく落とし込まれている。

イクラにサンマと、季節の素材使いもこれまでになくユニーク。陶器の器は、益子焼の作家に依頼。ネパールの茶文化を紹介すべく茶葉を販売するなど、小さな店で日本×ネパールの文化をクロスオーバーさせ、ポップに発信する。

中目黒〈ADI〉店主・シェフのアディカリ・カンチャンさん
店主のカンチャンさん。アパレル勤務、司法書士の助手を経て料理の道へ。
中目黒〈ADI〉店内
クラフト感のある籐製のランプがアクセントに。

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