ドリンクメニューの主役はずらりと並ぶレモンサワー。「揚げ物用」に「ゲイシャで」「煙と塩と」と、全14種！
「日本人はよく酒を飲むのに、強い酒は苦手、ハードルが高い、とハードリカーやバーを敬遠する人が多い。飲んで飲んで、と真正面から言うより、居酒屋で気づいたらカクテルを飲んでいた、となれば近道かなと」と出店の経緯を話す後閑信吾さん。
レモンサワーといっても、焼酎メーカーと開発したオリジナル焼酎などクラフトな酒と、広島産有機レモンで作る自家製コーディアルがベース。〈The SG Club〉のカクテルに同じだ。
日本のバーはクラシックカクテルが偏重傾向にありそれが食事との距離を遠ざけているのだという。
【フォアグラ麻婆豆腐 × 四川檸檬沙瓦】後閑さんが上海で経営する〈SOBER COMPANY〉の看板料理。痺れる辛さにフォアグラのコクが際立つ。花椒を浸漬したウォッカをベースに紹興酒で香り付けした四川風レモンサワーとピタリ。料理1,980円／酒990円。 
【鶏の唐揚げ＋ハリッサソース × 揚げ物用レモンサワー】山椒と西京味噌で和に寄せた鶏の唐揚げ。マーガオ、カルダモンを漬けた「The SG Shochu（MUGI）」をレモンサワーにし、ビールの泡をフロート！油と好相性の麦を、蒸留酒と醸造酒ダブルで。料理990円／酒990円。 
【 ラーメンポテトサラダ× The SG Shochuハイボール（KOME）】白湯スープを使い、あえて効かせた“とんこつラーメン臭”が、食欲をそそる。オリジナルの「The SG Shochu（KOME）」は、ソーダ割りにすると飲み口軽快、後味の米の旨味が料理に寄り添う。料理880円／酒880円。 
【バッファロー軟骨 × カルピスサワーカルピス抜き】バッファローチキンウィングを、軟骨で。セロリスティックとブルーチーズソースを添えた定番スタイル。カクテルベースは、なんとにごり酒！乳酸由来のまろやかな酸味、甘味がピリ辛に合う。料理880円／酒880円。
「アルコール度数が高く、甘味、酸味、苦味、どれも強いクラシックカクテルは、料理に合わない。ならば、合うものを作ればいい」と、後閑さん。麹の旨味がある本格焼酎は和食に合うし、塩と相性のいいメスカルも、実は食中酒向き。
ハードリカーを「キレ味系」と「香りふくよか系」に分けると、食事に合わせやすいソーダ割りに合うのは前者に属する焼酎やジン。後者側のウイスキーは「個人的には合わないかな」と話すが、「副素材を足せば味が作れ、料理にも寄せられる」と、自由だ。
【てりやき角煮包 × ゲイシャでレモンサワー】角煮とコーヒー、茶色のマリアージュ。最高級コーヒー豆ゲイシャをジンに漬け込み、レモンコーディアルとソーダ、さらにゲイシャの水出しコーヒーをプラス。コーヒーとレモンで重層的な酸味を。料理770円／酒1,320円。 
【洒落てるタコワサ × SGマティーニ】タルタルステーキ風にケイパーとディルを効かせたところがメニュー名の由来。「度数の高い酒には、濃い味を」と、後閑さん。「The SG Shochu（KOME）」で作る王道、マティーニがどんぴしゃ。料理1,320円／酒770円。 
【アナゴのタコス × 煙と塩とレモンサワー】煮穴子に錦糸卵を添えたタコスに、メスカルベースのレモンサワーを合わせて。スモークソルトを添えて、メスカルの持つスモーキーさを増幅。煮穴子に、軽い炙り的な燻香が添えられ、旨さアップ。料理770円／酒1,100円。 
【明太トリュフマッケンチーズ × 本気のレモンサワー】キラキラメニュー名の正体はマカロニグラタン明太チーズのせ。「ピンクになるまで混ぜ混ぜして」と古河シェフ。コクと塩気が「The SG Shochu（KOME）」ベース、看板レモンサワーと文句ナシ。料理1,100円／酒990円。
後閑さんはニューヨークのバーで働いていた8年前から、現地の有名店と組み、カクテルペアリングを仕掛けてきた。その一軒、〈SakaMai〉で修業していたのが〈ゑすじ郎〉料理長、古河厚志シェフ。見た目ラーメンなポテサラに、ソースでシャレ込んだ唐揚げと、居酒屋つまみの“ツイスト”も自在。
ペアリングを試すのも、好きなものを自由に合わせるのもよし。カクテルの新世界が広がる。
