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夏の涼菓、水羊羹。福井では、冬の味覚として親しまれているんです

夏の涼菓として、お中元でも定番の水羊羹(ようかん)。しかし福井県では、冬にコタツに入りながら楽しむ習慣があり、今がまさに旬だ。江戸時代の商家のしきたりにまで遡って、その理由を紐解いてみよう。

Photo: Keiko Nakajima / Text: Koji Okano

こしあん、砂糖、寒天で作る練り羊羹が、冬の福井の味覚となった訳は諸説あるが、京都で奉公する丁稚(でっち)が正月の里帰りで持ち帰って広めた説が有力。

また今も高さ約2cmの薄い箱入りの商品が多いのは、挨拶回りの手みやげとして10枚単位を紐でくくって売っていた時代の名残だそう。

福井っ子は、これを付属の竹ヘラですくって食べるという。毎冬、約100の店舗が伝統の味を展開。販売期間は11月〜3月の店がほとんどだ。

〈御菓子司 おさや〉
でっち羊かん

湧水で仕込む餡の甘さが濃厚

名水百選の地元の湧水で炊く北海道産小豆のこしあんを、たっぷりと。沖縄の波照間(はてるま)産黒糖、長野産寒天使用で上品な味わい。

福井〈御菓子司 おさや〉の でっち羊かん
1,000円

〈菓寮福ノ和〉
和三盆糖冬水羊かん

厳選素材を使った水羊羹

福井の冬の水羊羹に定番の素材・黒糖をあえて使わず、上品な味わいの和三盆糖などを加えた皮むき餡を糸寒天で固め、喉越しに秀でた一品に。

福井〈菓寮福ノ和〉の 和三盆糖冬水羊かん
1,180円

〈えがわ〉
水羊かん

特上黒砂糖が味の決め手

福井の水羊羹に定番で使う黒糖は、沖縄の特上品を使用。濃厚な甘味とコクを醸しつつ、すっきりした後味に仕上がる。

福井〈えがわ〉の水羊かん
800円。