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「百読本」特集 編集後記:90冊で2021年を振り返る?

2021年12月15日発売 No.953「百読本」を担当した編集者がしたためる編集後記。

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今号では、Book in Bookの「2021年の副読本」を担当。

2021年に起きた30のニュースを振り返りつつ、それにまつわる3冊を紹介するブックガイドです。合計90冊紹介しているわけですが、そのテーマに精通した選者が3冊をセレクト。順番に読んでいただくことを想定して、かなりしっかりと3冊を選んでいただいたので、濃密すぎる内容になりました。

中でも面白かったのは、宇宙にまつわる取材・執筆を数多くされている林公代さんのセレクト。数年前から続くSFブーム、民間人初の宇宙旅行、SF超大作の「DUNE」公開、さらにはJAXAが学歴不問で宇宙飛行士を募集……2021年は、何かと宇宙のニュースが多かった年で、個人に的にとても気になっていたテーマでもあります。宇宙への関心度が高まりつつある今日、ぜひお勧めしたいと林さんが熱弁してくださったのが、「宇宙ーそのひろがりをしろうー」という加古里子さんの絵本。

「宇宙ーそのひろがりをしろうー」の最初の見開き。ノミのジャンプからはじまり、宇宙までつなげていく構成は圧巻です。他にも「地球」「海」などシリーズで出ていて、もちろんそちらもゲット済み。

この絵本はリサーチに10年かけたという超大作。著者の加古里子さんは、「これを読んだ子供が大人になった時、絵本の内容が嘘だったということにしたくない」ということで、最新の論文を読み込み、大学教授にまで取材を重ねて練り上げた一冊だそう。

実際にページを開いてみると、専門的な用語から逃げず、噛み砕いてわかりやすくビジュアル化しており、リサーチの綿密さと絵本への落とし込み方に唸らせられます。

宇宙の仕組みという難しいテーマを知るなら、この一冊からということで1冊目に紹介。

残りの2冊も、そこから知識を深められる本を紹介していただいているのでチェックしてみてください。

ちなみにニュースはBRUTUSチョイス。「これがない!」「こんなことあった?」などなどありますが、そこも楽しんでいただけると。普段なかなか時間が取れないこともあると思いますが、年末年始、気になっていたニュースについて、3冊まとめて一気に読んでみるのもいいかもしれません。

(担当編集 清水政伸)

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