興奮と学びを両立させる
“おいしそう!”のパワー。
食べ物が登場する絵本に子供が夢中になるのは、“おいしそう!”という興奮はもちろんのこと、“大人のしていることを真似してみたい”という欲求があるそう。
「特に2歳頃にはその気持ちが強くなり、絵本で見た料理を食べてみたいと思うようになります。逆にホットケーキやパン、果物など、普段食べ慣れているものは、絵本を通して、それらが作られる工程に興味を示すこともあります。そこから自分で作ってみたい欲求が生まれるなど、現実と絵本の世界を行き来することで、どんどん楽しさが膨らみ、また読みたくなるのだと思います」(今福)
最近の食べ物絵本の傾向は、“おいしそう”を追求した描写の進化だとか。「実物顔負けの精緻なイラストや、大迫力の絵、写真を使ったものなど、あらゆる手法で食欲を刺激するものが増えました。扱う料理の幅も広がりを見せているのは、子供の食生活の多様化もあるのかもしれません。見たことも聞いたこともない料理を知り、名前を覚えるのも刺激的で、好奇心を掻き立てるのでしょう」(磯崎)