フリとオチが作る“間”が
爆笑を誘うトリガー。
絵本の定番と言えるのが“フリ”と“オチ”。最初に「いないいない……」とためを作り、「ばあ!」で勢いよく落とす。それを繰り返す構成だ。
「これはもっとシンプルに大人と子供が一緒に遊べる形。生後間もない赤ちゃんは記憶能力が発達しておらず、徐々に一時的に物事を覚えていく記憶能力が発達します。最初は“フリ”と“オチ”に気づかず、大人のアクションを見て喜んでいますが、記憶能力が発達するにつれて、なんとなく次の展開を予測できるようになります。オチが来るぞ……と期待するのです。
お笑いでもそうですが、わかっているからこそ笑っちゃう。その間の取り方が上手な絵本ほど、繰り返し読みたくなるのかもしれません」(今福)
磯崎さんは“フリ”と“オチ”のバリエーションの多様化に注目する。
「動物が脱皮したり、お相撲さんが乗っかってきたり、構成は定番でもユニークなシチュエーションを設定する絵本が目立ちます。大人も思わず笑っちゃうようなユーモアがあると、いっそう盛り上がりそうです」