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『いないいないばあ』から考える、何度も読みたくなる絵本の秘密

読み終わった瞬間に「もう一回!」。子供にとって絵本は、百読を越して千読、万読とも言える書だ。そもそもなんでそんなに繰り返し読みたくなるのか?ロングセラー本にヒントを探し、専門家と考えてみた。

Photo: Shu Yamamoto / Text&edit: Yuriko Kobayashi / Cooperation: Yuki Chino (Book House Cafe)

フリとオチが作る“間”が
爆笑を誘うトリガー。

絵本の定番と言えるのが“フリ”と“オチ”。最初に「いないいない……」とためを作り、「ばあ!」で勢いよく落とす。それを繰り返す構成だ。

「これはもっとシンプルに大人と子供が一緒に遊べる形。生後間もない赤ちゃんは記憶能力が発達しておらず、徐々に一時的に物事を覚えていく記憶能力が発達します。最初は“フリ”と“オチ”に気づかず、大人のアクションを見て喜んでいますが、記憶能力が発達するにつれて、なんとなく次の展開を予測できるようになります。オチが来るぞ……と期待するのです。

お笑いでもそうですが、わかっているからこそ笑っちゃう。その間の取り方が上手な絵本ほど、繰り返し読みたくなるのかもしれません」(今福)

磯崎さんは“フリ”と“オチ”のバリエーションの多様化に注目する。
「動物が脱皮したり、お相撲さんが乗っかってきたり、構成は定番でもユニークなシチュエーションを設定する絵本が目立ちます。大人も思わず笑っちゃうようなユーモアがあると、いっそう盛り上がりそうです」

『いないいないばあ』
松谷みよ子/文 瀬川康男/絵

『いないいないばあ』松谷みよ子/文、瀬川康男/絵 表紙

『みたらみられた』
たけがみたえ/著

『だっぴ!』
北村直子/著

『たぷの里』
藤岡拓太郎/著

『じゃない!』
チョーヒカル/著