Drink

音楽と会話から生まれる団欒。飲める東京のレコードショップ3店

ストリーミングサービスにYouTube。世界史上、時代もジャンルも国も超え、今ほど縦横無尽に音楽にアクセスできる時代はない。それはそれで幸せだけれど、もっと稀有な体験ができる場所を目指そう。アルバム一枚から派生する音楽の歴史を語ってくれる店主、常連と会い、彼らの言葉とともにリズムとメロディに浸る。音楽のある場所へ。「クラフトビールをお供に。飲めるレコードショップ3店」も読む。

Photo: Kunihiro Nishigaki, Yuki Katsumura / Text: Nico Araki, Mitsuhiko Terashita, Wataru Sato

BLOW UP(渋谷/東京)

音楽と会話から生まれる団欒のひととき。

道玄坂の裏手通りにひっそりと佇む店舗。カウンターを囲む6席の背後には、1960年代後半から現代の新譜まで、和モノやブラックミュージックのLPが並ぶ。「ホームパーティのような空間になることが理想です」と語るのは、自身もDJとして活動する店主の北村圭士郎(CHINTAM)さん。研究を重ね生まれた馬筋の煮込み600円やおでん250〜400円などメニューは幅広い。

〈BLOW UP〉店内
〈BLOW UP〉店内
キビ砂糖でほんのり甘いレモンサワー¥800
キビ砂糖でほんのり甘いレモンサワー¥800も人気。
ランチのポークカレー¥1,000〜
ランチのポークカレー¥1,000〜

Upstairs Records & Bar(下北/東京)

NYから始めた20年以上続くレコ屋。

DJバーで働いていた時にレコードに魅了されたという店主の永友慎さん。ブルックリンで始めた〈ウィークエンド・レコーズ〉は、多くの著名人も訪れた伝説の場所だ。帰国後もレコードショップを再開。「一枚のLPを何年もかけて探したり。免許もないので電車で回っています」と、アメリカ、マレーシア、韓国へ、自ら足を運ぶ。店頭では、1960〜80年代のLPを展開。

〈Upstairs Records & Bar〉店内
〈Upstairs Records & Bar〉店内
濃いめのコーヒー焼酎¥700
濃いめのコーヒー焼酎¥700は烏龍茶や牛乳割りで。
看板
その名の通り2階。看板が目印に。

アーティストと交流できる絶好スポット。

飲み屋 えるえふる/LIKE A FOOL RECORDS(新代田/東京)

ミュージシャンの辻友貴さんと會田洋平さんが、共同でオーナーを務める〈飲み屋 えるえふる〉。近隣にはライブハウス〈新代田フィーバー〉もあり、音楽好きにはたまらない溜まり場だ。“一日店長”と題して、アーティストを呼ぶことも。奥のショップでは、1990年代を愛してやまない辻さんセレクトのハードコア、インディロック、エモ、エレクトロニカの新譜のLPを揃えている。

〈飲み屋 えるえふる/LIKE A FOOL RECORDS〉店内
〈飲み屋 えるえふる/LIKE A FOOL RECORDS〉店内
おつまみ、アールグレイ酎¥350
おつまみは日替わり。アールグレイ酎¥350は+¥80で豆乳割りに。
店内の棚
7割海外のもの。