レタンプリュス本店(流山おおたかの森)
しっかりと焼き込まれ卵の味わいが際立つ一品
2012年、千葉県流山市にオープンし、瞬く間に人気となったパティスリー。19年、本店を同市内に移転・グランドオープンした。それと同時に焼き菓子やパンの種類もぐんと豊富に。
ブリゼ(タルト生地)に卵液を流して焼くフランス伝統菓子の「フラン」は「プリプリでもやわやわでもない、まさにパーフェクトな焼き加減。コク深くかつ穏やかに広がる卵とバニラの風味、サクッと香ばしい生地が調和して、何度でも食べたくなります」。
ザ・グラン銀座(銀座)
老舗フレンチのあの名品を完全再現!
50年近く愛されるも、2015年に閉店した〈銀座マキシム・ド・パリ〉。その元総支配人と初代パティシエ監修の下、復活した伝統の一品がこちら。上品なカスタードクリームとイチゴをサクサクのパイ生地でサンド。
「ボリュームのある仕立てやコアントローが潜む甘い香りが魅力。パイ生地、クリーム、イチゴがシンプルでいてパワフルな三重奏を奏でます」。テイクアウトは1日20台限定。
ラ・ヴィエイユ・フランス(千歳烏山)
メニュー変更の場合あり。
こっくりカスタードにパイの塩気がいい仕事
〈ラ・ヴィエイユ・フランス〉木村成克シェフのカスタードを純粋に味わうなら、「フラン」。塩気の効いたパイ生地にカスタードを流し込んだら、オーブンでは焦げ目をつけるだけ。カスタードクリームに余計な熱を加えず、弾力のある滑らかさを実現している。
「サクサクパイに、もっちりしたクリームがクセになる。シンプルながら深い旨味があり、優しいコクが広がります」。
アステリスク(代々木上原)
生地もクリームもふわっと軽やかな口溶け
アートのようなケーキを作る〈アステリスク〉らしく華やかに絞られた生クリームの土台には、シフォンケーキとカスタード。「カスタードのミルキーで優しい味わいと、口溶けの滑らかさにうっとり。ぷるぷるのシフォン生地、バニラがほのかに香る生クリームとともに、口の中でさらりととろけていきます」。
薄力粉「特宝笠」を使い、強火で、カスタードの常識を覆すほどしっかり炊き込んでいる。「1.5人前ほどのサイズですが、軽く完食してしまいます」。
ラミティエ(高田馬場)
ビストロでシメに注文するフランス伝統のデザート
予約至難のビストロ。デザートのファンも多い。中でもカスタードソースにメレンゲを浮かべた「イル・フロタント」は開店当初から変わらず人気。
「たいてい大きめの皿にソース、そして卵白の島が浮いているのですが、さすが〈ラミティエ〉は小さな器にぽこんと島がのっている。ふわふわの中にアーモンドが香ばしさとアクセントを与え、強く印象に残る素晴らしいデザート」。上にはカラメルソースがたっぷり。
自由が丘ロール屋(自由が丘)
ふわふわのロール生地に2種のクリーム入り
辻口博啓シェフによる、ロールケーキ専門店。栃木県産の「那須御養卵」を使い分け、生地には白玉、カスタードには赤玉を使用。構成がシンプルだからこそ、卵の甘味と風味が感じられる。
「ふわふわのスポンジ生地、コクのあるカスタード、さらに優しい甘さの生クリームが絶妙なバランス。卵の濃厚な味と風味がしっかりと伝わる絶品ロールケーキです」。毎日早朝から手作りし、出来たてが店頭に並ぶ。
廣川菓子製作所(札幌/北海道)
伝統菓子ガトーバスクを洗練された食感と味わいに
2019年オープン。フランス菓子の技術をベースに、シンプルかつ美しい表現が印象的な気鋭の一軒。店主の廣川雄士さんが、フランス・バスクでの修業時代の思い出の味にオマージュを捧げた「ガトーバスク」は、クッキー生地の中にカスタード入りのアーモンドクリームを詰めて焼いている。
「郷土菓子なのに洗練された印象。ほんのりラム酒が香り、生地とその外側、クリーム部分の食感のコントラストも楽しめます」。
バナナ焼きのパピリカ(名古屋/愛知)
あったかおやつに心が和むお手頃価格の人気者
北海道・旭川のご当地おやつをアレンジ。客であった現店主が、その味と店を引き継いだ。もちっとした生地は北海道産小麦粉と国産米粉によるもの。合わせるカスタードは自家製バニラオイルで香りづけし、米粉を入れて存在感を出す。ちなみに、バナナの味はしない。
「我が子たちも大好きなおやつ。手に持つとふにゃっと軟らかいのに、食べると予想外の弾力です」。ほかに白てぼうあん、惣菜系、揚げなどが揃う。
キュー(京都/京都)
ツノが立つ姿を目指した、硬さ&軽さのカスタード
ロンドンの〈セント・ジョン〉から菓子作りのキャリアをスタートさせた大木健太さんが店主。帰国後、日本の素材でレシピをブラッシュアップ。作り上げたドーナツやチーズケーキは開業と同時に爆発的な人気に。
「見た目のかわいらしさ、持ったときのずっしり感、クリームの軽やかさ、レモンの皮が入った生地の優しさ。どれもがここだけのもので虜(とりこ)に」。
レ モワノー(京都/京都)
甘さのあとに広がるコーヒーの苦味と香り
今はなき京都の名パティスリー〈オ・グルニエ・ドール〉で研鑽を積んだ勝本真理さんが2019年9月に独立。コーヒー色をしたフォンダンと、コーヒーを加えたカスタードクリームという、異なる2種類の甘さを繋ぐ、しっかり焼かれたシュー生地の存在が印象的だ。
「クリームの甘味が、いつの間にかコーヒーのややビターな味わいと香りに変化するところが、上級なテクニック。感動ものです」。男性にも人気。
〈杏杏(シンシン)〉(神戸/兵庫)
ふわふわ生地にくるまれたイエローの餡が鮮やか!
広東省の家庭料理が楽しめる中国料理店。人気の奶黄飽(卵まん)は、食後のデザートの一つとしてオーダーする客多数。自慢の自家製カスタードクリームに卵黄、バターをさらに加え、弱火でコトコト気長に練り上げた黄色い餡がたっぷり入っている。
「蒸したてのふっくら生地と、上品な甘味の餡が絶妙。2口ほどで食べ終わる小ぶりなサイズもかわいい。手みやげにも重宝します」。
プティ メトロ(福岡/福岡)
ワインのお供にぴったり。スパイス香る大人のカヌレ
ビストロ〈赤坂メトロ〉に併設されたカヌレ専門店。キビ砂糖、熊本県〈蘇陽農場〉の新鮮卵、福岡県大牟田の牛乳を使用する。定番・ショコラ・季節のカヌレ、そしてスパイス香るエピスの4種をラインナップ。
「エピスにはカルダモン、八角、シナモンなどを漬け込んだラム酒が使われています。外はガリッと、中はしっとり。ネパールのスパイス、ティムールペッパーがアクセントになった、ワインにも合うカヌレです」。