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全国カスタードおやつカタログ〜クリームパン編〜

古今東西のおいしいものを知り尽くしたフードジャーナリスト11人が、お気に入りの逸品をセレクト!パンという食べ物の懐の深さか、バラエティ豊かなラインナップのクリームパン。形には店ごとの個性が表れ、生地にブリオッシュやデニッシュを使ったリッチなものも。

illustration: Yoshifumi Takeda / food: Mika Ninomiya, Yuki Ishiguro / photo: Keiko Nakajima, Kunihiro Fukumori, Kenya Abe, Ryo Arai, Makoto Iwanami, Seiji Ueda, Kaori Oouchi, Wataru Kitao / text: Tomoko Ikuno, Sachiko Ishizaki, Miho Inada, Mae Kakizaki, Chihiro Kurimoto, Yuki Konishi, Yukiko Daigo, Kahoko Nishimura, Mako Yamato / edit: Ai Sakamoto

オクトーブル(世田谷)

三軒茶屋〈オクトーブル〉のクリームパン
瀬戸理恵子(フードエディター、ライター)select
クリームパン 270円

クリームにはもちろん生地にも卵がたっぷり

三軒茶屋駅から少し離れた閑静な住宅街に佇むパティスリー。フランス菓子のほか、ヴィエノワズリー(菓子パン)をはじめとしたパンも豊富に並ぶ。クリームパンは、クリームを生地の上にのせて焼き上げるフランスでは伝統的なタイプ。クリームも焼かれるから表面はもっちりとしている。

「リッチで優しい質感のブリオッシュ生地に、フルフルとした上品なカスタードクリームがたっぷり。口に入れるとふわっととろけるようで、幸せに包まれます」。

ゴルジュ(横浜)

神奈川〈ゴルジュ〉のクリームパン
吉田直人(スイーツジャーナリスト)select
クリームパン 237円

ブリオッシュの器にカスタードをイン

「グローブ形のクラシカルなクリームパンもいいけど、新鮮味のあるこんな一品はどうだろう?」と吉田さんが提案するのは、横浜・反町にある〈ゴルジュ〉のクリームパン。毎日炊き上げる自家製カスタードを、優しい味わいのブリオッシュの中に絞る。

生地にもカスタードにも、コクと甘味の強い「那須御養卵」を使用。仕上げに、ブリュレのようにバーナーで炙(あぶ)って香ばしさを出す。「丸みを帯びたリッチな生地に、しっかり甘いカスタードが合う」。

レカー(代官山)

デニッシュ専門店の詰めたてクリームパン

バター、小麦粉は北海道産を選び、無添加で安心安全に。デニッシュ生地のバターがリッチに香り、詰めたてのクリームが優しさをプラスする。

「オーガニックのタヒチバニラの香りがパッと広がる。クリームは生クリームを使わず高脂肪乳で滑らかに。エッジの立った見事な層はデニッシュ専門店ならでは。パリパリの生地とそこからあふれるクリームの食感のコントラストが楽しい」。

オ・プティ・フリアンディーズ(世田谷)

味も見た目もほっこり。フランス流の遊び心

〈ビゴの店〉創業者のフィリップ・ビゴ氏に見込まれた藤森二郎さんが暖簾(のれん)分けを許され、オリジナルで作ったクリームパン。

「おじいちゃんネズミのペペが背中に孫ネズミをおんぶした姿がかわいらしい。レーズンやアーモンドスライスで描かれた表情が一つ一つ違うのも、心が和みます。自家製カスタードは滑らかで量も程よく、甘すぎないので、おやつにも朝食にもおすすめ。日本人にとって懐かしい、ほっとする味」。

トリュフベーカリー(門前仲町)

白トリュフの塩パンに並ぶ隠れた人気者をどうぞ

門前仲町に本店を構え、広尾や三軒茶屋などどの店舗も賑わう人気ベーカリー。看板商品「白トリュフの塩パン」はもちろん、実はこれを求めて来店する客も多いのが「生搾りクリームパン」だ。

「ブリオッシュ生地においしいクリームがびっしり入っていて、一口かじると溢れ出そうなほど。それが嬉しいんです」。賞味期限はなんと5時間。店頭に残る数をこまめにチェックし、クリーム詰めたてが少しずつ並べられる。

エテコ ブレッド(池ノ上)

後入れのカスタードは濃厚ながらフワッと軽い

発酵バター入りのクロワッサン生地を使った、円柱状のクリームパン。折り数を減らして層を厚くするため、ザクザクした食感が楽しめる。

「注文を受けてからクリームを後入れするので、フレッシュ感が抜群。カスタードには『那須御養卵』を使用し、生クリームやマダガスカル産のバニラビーンズを加え軽い食感に仕上げています。シュークリームを食べている感覚で、スイーツ好きにはたまりません」。店頭に並ぶパンの最終の焼き上げは16時〜17時。

ブーランジェリー コロン本店(札幌/北海道)

札幌〈ブーランジェリー コロン本店〉のブリオッシュ・カスタード
小西由稀(フードライター)select
ブリオッシュ・カスタード 259円

甘さのバランスが絶妙な、おやつというよりデザート

小麦は100%、またその他の素材も極力北海道産のものを使用している。中でも、ブリオッシュ・カスタードはこの店でトップクラスの人気商品だ。

「赤井川村の〈山中牧場〉の牛乳を使った甘さ控えめなクリームと、しっとりリッチなブリオッシュ生地、そこにアクセントを添えるグラニュー糖の食感が相まって、苦めのコーヒーが似合う、大人のためのクリームパンに進化しました」。

パン ヤギュウ(名古屋/愛知)

しっとり繊細なパン生地とカスタードの融合が見事

対面販売の小さなベーカリーから生まれる人気商品。キノコの形はかわいいばかりでなく、おいしさを追求した結果。国産小麦粉によるパン生地を、セルクルに入れてもっちりと焼く。カスタード担当は、パティシエールとしてホテルでも活躍していた奥様。手を止めることなく強火で一気に炊き、滑らかな口当たりに仕上げる。

「見た目に反し、ずっしりとした重量感。しっとり繊細なパン生地と、ぽってり濃厚なクリームが一口に共存します」。

ベーカリー ウキ(京都/京都)

サクサクひんやりで、クリームパン嫌いも納得

2020年の開店と同時に、たちまち定番店へ躍り出たベーカリー。「クロワッサン生地で冷蔵庫に並ぶ姿もかわいく、たっぷりのクリームも魅力」。始まりは店主・松岡英樹さんの妻・まほさんの「クリームパン好きじゃない私が食べたくなるものを」の言葉から。

シュークリームをイメージし、カスタードは粉っぽさが残らないようしっかり火を通して炊き上げ、あと詰めにした。重量感も嬉しい新しいおやつパン。

ニード(神戸/兵庫)

何個でも食べたくなる後口すっきりのカスタード

店主・岩田友和さんが国産小麦を中心に約10種の粉と自家製酵母を使って焼くパンが人気。バターをふんだんに使ったブリオッシュ生地で作るクリームパンは、島根〈木次乳業〉の低温殺菌牛乳、奥丹波の卵を使ってじっくり炊き上げるカスタードが入る。

「生地に対するクリームの量は1.5倍。シルキーかつツヤツヤで、コクがあるのに後口はすっきりしています。時間が経ってもふっくらしているパン生地も美味」。

ストック(西中洲/福岡)

コクのある濃厚クリームがフワフワ生地と相性抜群

福岡が誇るベーカリー〈パンストック〉の姉妹店が2019年にオープン。本店とともに菓子パン人気のナンバーワンが、こちらの「キビック」だ。シェル形のかわいらしいフォルムで生地は長時間熟成のため、フワフワ&もっちり。濃厚な質感に仕上げたクリームは、キビ砂糖のコクのある甘味が特徴だ。

「生地もクリームもふんわり口溶けが良く、口の中で一体となる瞬間がたまりません」。売り切れることもしばしば。