本を愛する父子が開いた、書店兼バー。文学に酔いしれる〈Bibliotheque〉

日本に来て来て、あの店、このサービス!今回はニューヨークの書店兼バーを紹介。

photo: Naoko Maeda / text: Azumi Hasegawa / edit: Hiroko Yabuki

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3つのポイント

1.昼は書店+カフェ、夜はワインバーとして営業。
2.ボルドー中心に高品質ワイン3,000本を揃える。
3.コーヒーや軽食から本格的なディナーまでサーブ。

本を愛する父子が開いた、文学に酔いしれる書店兼バー

ニューヨーカーは、コーヒーと本屋の組み合わせが大好き。そしてお酒も。だがその3つが揃う場所は、あまり存在しない。医者の父とライターの息子が経営する〈Bibliotheque〉は、そんな発想から生まれた。

Bibliothequeの外観

昼間はカフェ+書店で、ラップトップを持ち込んで作業する人も多い。しかし夜になると、照明を落として、ロマンティックなワインバーに変身する。

「当初はこの多面性に混乱した人もいました。でも今は学生が勉強したり、ワインとチーズをつまみながら、友人たちと本について語らうブッククラブの交流の場になったりと、多くの人が利用しています」とオーナーのA・J。

もちろん夜の部で、グラス片手に読書も可能だし、本は買わなくても好きなだけ読める。さらにデートで相手の趣味がわかる格好のスポットだという声も。「初めてのデートで本屋に行く人はなかなかいないと思うけど、“どんな本が好きなの?”なんて聞きながら、座ってコーヒーやワインを飲むにはピッタリですね」

ワインはボルドーを中心に3,000本以上を取り揃える。ソフトでスムーズな味わいのものは「ロマンス」。熟成に向かず、リリース後数年以内に飲まれることを想定した80ドル以下の「ヤングアダルト」など、ワインリストが本のジャンルにちなんでカテゴライズされているのも楽しい。フードはシャルキュトリからシーフード料理まで。常に満席なのも頷ける人気店だ。

テーブルに置かれた白ワインと本
すっきりしたソーヴィニヨン・ブラン「Domaine Trotereau, Quincy」(グラス24ドル)を読書のお供に。

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