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「ハードリカー大図鑑」コニャック編。 果実のアロマが広がる魅惑の酒

さまざまなタイプの醸造家の出現でその枠を広げつつあるオー・ド・ヴィー。中でもコニャックはフランスのコニャック地方で造られたものだけが名乗ることを許される最高級品。原料は主にユニ・ブラン種のブドウが用いられ、蒸留後、長期熟成。「香りを飲む酒」と称され極上のアロマを放つ。造り手たちの信念を感じる酒だ。

Illustration: Shinji Abe(karera) / Photo: Shin-ichi Yokoyama / Text: Akio Mitomi, Chise Nisinoiri, Ryota Mukai / Edit: Kaz Yuzawa

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ギイ・ピナール 2010 フォル・ブランシュ pour バー ドラス
(ギイ・ピナール)

フォル・ブランシュ種の
アロマを堪能できる超貴重な一本。

絶滅危惧種であったフォル・ブランシュ種の無農薬農法に成功した造り手。フォル・ブランシュ種特有の強い香りが特徴で花畑のような芳香はグラスを鼻から離せなくなるほど魅惑的。

コニャック〈ギイ・ピナール 2010 フォル・ブランシュ pour バー ドラス〉
ギイ・ピナール 2010 フォル・ブランシュ pour バー ドラス | 44.3度、500ml。

ピエール リュカ VS No.1
(ピエール リュカ)

樽熟で染みついた香りとカラーが
いいアクセントに。

熟成期間は3年と短いが、色と香りが出やすいリムーザンオーク樽に入れているからクリアな金色に色づき、ほんのりバニラの香りも。ブドウの余韻をじっくり楽しめる。

コニャック〈ピエール リュカ VS No.1〉
ピエール リュカ VS No.1 | 40度、700ml。

ポール ジロー25年 エクストラヴュー
(ポール ジロー)

メロウで伸びやかな余韻が造り手のやさしさ。
最後に届くのは、感動。

手摘みのブドウを自然発酵させる代々のやり方を守り、床下を川が流れ熟成には向かないはずの、いつも湿っぽい倉庫で熟成を待つ。そして誰もマネのできないコニャックが生まれる。

コニャック〈ポール ジロー25年 エクストラヴュー〉
ポール ジロー25年 エクストラヴュー | 40度、700ml。

ジャン・フィユー CF20
(ジャン・フィユー)

渋味なく、香り華やか。
ブドウのいいとこ取りこそ、
コニャックの本質だ。

1880年から続く歴史あるブランドで、ブドウ栽培から販売まですべてを担うプロプリエテール。20年以上熟成したCF20は、まろやかで飲みやすく初心者にうってつけ。

コニャック〈ジャン・フィユー CF20〉
ジャン・フィユー CF20 | 43度、500ml。

ジャン-リュック・パスケ オーガニック フォル・ブランシュ pour バー ドラス
(ジャン-リュック・パスケ)

オーガニック栽培の
ピュアなコニャック。

自家栽培から瓶詰めまで一貫して自家で行うプロプリエテール。昨年無農薬のフォル・ブランシュ作付けに成功。こちらは2010年のヴィンテージ。香り立つアロマの中に未来が広がる。

コニャック〈ジャン-リュック・パスケ オーガニック フォル・ブランシュ pour バー ドラス〉
ジャン-リュック・パスケ オーガニック フォル・ブランシュ pour バー ドラス | 48.2度、700ml。

Column

厳格に守る原産地呼称が
唯一無二の蒸留酒を生む。

原産地呼称の認証が与えられるコニャックの製法には厳格なルールがある。

伝統的な銅製ポットスチルを用いた単式蒸留を2回行い、リムーザン地域またはトロンセ産のオークを使用した熟成樽で最低2年以上熟成。
ブドウの栽培地域は「クリュ」と呼ばれる生産区画を厳密に定義し、熟成年によりV.S.O.P、XOなど等級も細かく分類。

伝統的な銅製ポットスチル

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