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フードジャーナリストが選ぶおすすめプリン〜全国編〜

古今東西のおいしいものを知り尽くしたフードジャーナリスト6人が、お気に入りの逸品をセレクト!牛乳と砂糖、卵を混ぜ、加熱して作るプリンは、そのシンプルさゆえに味わいの違いも歴然。昔懐かしいミルキーな一品から、近頃人気の硬めまで、さまざまなタイプが揃う。

Photo: Kunihiro Fukumori, Ryo Arai, Makoto Iwanami, Seiji Ueda / Text: Yuki Konishi, Sachiko Ishizaki, Mako Yamato, Miho Inada, Tomoko Ikuno / Edit: Ai Sakamoto

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エゾアムプリン製造所(富良野/北海道)

北海道 プリン お取り寄せ
小西由稀(フードライター)select
エゾアムプリン1ホール 3,300円

大きさと味わいに驚く北海道産100%プリン

工房があるのは、富良野の小麦畑の丘の上。毎朝、生産者の元に取りに行く搾りたて牛乳や卵、北海道産の生クリームとテンサイ糖、さらに山麓の湧水を使用している。生地にカラメルソースを混ぜ合わせ、直径約20㎝の陶器で3時間じっくり蒸し焼きに。「上の層はベイクドチーズケーキのような食感で濃厚、その下はしっかりめ。徐々に卵の味わいが増すので、日々の変化も楽しいプリンです」。要予約。

洋菓子・喫茶 ボンボン(名古屋/愛知)

石崎幸子(ライター、編集者)select
プリン 190円 イートインは生クリームとサクランボ付き 330円

シンプルで美しい!郷愁誘う不滅の名品

昭和24(1949)年創業の洋菓子店&喫茶店。30種類以上揃うケーキは、大半が200~300円台とお値打ち。先代が考案したプリンは甘く、硬めの正統派で、カラメルは苦めに仕上げて味の強弱をつける。「口当たりの優しさと意外なほろ苦さのカラメルが郷愁を誘います。昭和の応接間みたいな喫茶店の空間も味わいの一つ」。

無碍山房(京都/京都)

大和まこ(ライター)select
昔プリン 1,100円

料亭らしい上品さと、練乳を思わせる濃厚さ

料亭〈菊乃井〉が展開する茶房のプリンは当主・村田吉弘さんが子供の頃に食べた味を再現したもの。2022年秋から蒸し焼きに進化した。「少し香ばしさも感じるコクは、半量になるまで煮詰めた牛乳を使っているから。そこに卵黄を加えることで濃厚に、けれどしつこくない加減がちょうど。エッジの立った硬さも好み」。苦さ控えめなカラメルと、同じ牛乳で作ったアイスを添えて。

なかたに亭(大阪/大阪)

門上武司(フードコラムニスト)select
クレーム・オ・ショコラ 572円

上質なデザートを思わせる滑らかで濃厚な味わい

昭和62(1987)年創業、大阪を代表するパティスリー。20年以上の歴史を刻む「クレーム・オ・ショコラ」は、キャラメリゼしない、チョコレート味のクレーム・ブリュレ。「滑らかな舌触りと生地の適度な硬さにショコラの香りが加わる、西洋料理のデザートのような一品。口の中に残る余韻の長さと、鼻腔に抜けていく香りがやみつきの味わいに。食感を楽しむプリンとも言えます」。

モロゾフ 神戸本店(神戸/兵庫)

いなだみほ(スイーツライター)select
兵庫県産こだわりミルクのカスタードプリン 378円

兵庫県産牛乳がまろやかな地元愛感じる限定プリン

2019年、〈モロゾフ 神戸本店〉がリニューアル。創業約90年の伝統と革新、神戸らしさを詰め込んだリスタートに際し、神戸本店限定のプリンも発売した。生クリーム、カスタードプリン、カラメルの3層から成る一品は程よい弾力と極上の滑らかさが魅力だ。「兵庫県産牛乳のまろやかなコクを生かしつつ、優しい甘味もある。そんなプリンとふわっと軽く清涼感ある生クリーム、しっかり苦味を感じるカラメルが絶妙なバランス」。

カフェマルゴ 向野店(福岡/福岡)

生野朋子(編集者、ライター)select
カスタードプリン 340円

クラシカルなおいしさがコーヒータイムを至福に

糸島〈板垣ファーム〉の卵、乳脂肪分48%以上の生クリームなど素材にこだわり、コーヒーに合うクラシカルなプリンを追求。低温でゆっくり蒸し焼きにすることで、軟らかすぎない絶妙な質感に。「スプーンを入れると適度に弾力があり、口に入れると滑らか。カラメルにはしっかりと苦味があって、コーヒーと味わうと、至福です」。カップから皿に移して、たっぷりのカラメルを絡めて食べるのがおすすめだ。

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