20代の自分と今の自分をつないでくれる存在
本がない生活に憧れるのですが、実際はまったく手放せない(笑)。なかでもポール・ボウルズの『PHOTOGRAPHS』は思い出が詰まった写真集です。
20代の頃、彼の小説『シェルタリング・スカイ』に感化されて突発的にモロッコへ行きました。しかも作中の「旅行者は帰国しないこともある」という記述から、帰る日も目的地も決めない無計画な旅にして。迷路のような街を歩いたり、砂漠の真ん中でヒッチハイクしたり、強烈な異文化体験ができましたね。
写真集を手に入れたのはその数年後。モロッコの街並みの写真が、当時の感情や景色を思い起こさせてくれました。影響を受けた小説と人生で忘れられない旅の経験に強く結びつきのあるこの本は、僕にとって重要な存在なんです。
