KOFFEE MAMEYA -Kakeru-(清澄白河)
バリスタの技術で魅了する、一杯の“非日常体験”
ガストロノミーのように技術を用いながら、四季折々のテーマでコーヒーを提供したい。そんな思いのもと、豆と新たな可能性の“掛け合わせ”に挑戦。豆専門店〈KOFFEE MAMEYA〉が営むカフェバーでは、コース仕立てのコーヒーやカクテルを楽しめる。
ある日のカクテル用の豆は、エチオピア産5種の中煎りブレンド。バリスタの図師聡さんいわく、「“コーヒー感”を求める方が多く、度数は全体的に控えめですが、新鮮さのある味を目指しています」。「カシオレマメヤ」は、冷たい牛乳でコーヒーを抽出しカシスをプラス。ユニークな名の「キャラメルマキアート…?」は、米焼酎にシェリーや洋梨、ヘーゼルナッツリキュール等を加え、香りと甘さでキャラメルらしさを演出した。
INC COCKTAILS(渋谷)
アナログの音色とともに、ほろ苦さを味わう
バックバーに並ぶ酒とレコード、大きな〈ALTEC〉のスピーカーとアンプ。コンクリートを基調にした地下に広がるフロアには、ジャズやソウルの音楽に乗せてシェイクの音がよく響く。オリジナルの「コーヒーwithジョゼッペ」は、エスプレッソリキュールにイタリアのハーブリキュールとベルモットを合わせたビターな一杯。
「コーヒーの苦味が好きなので、甘味よりもビター感が引き立つ仕上がりです」と、マネージャーの森岡賢二さん。店で扱う豆は、兵庫県苦楽園〈タオカコーヒー〉でカクテル用に焙煎したブラジル中煎り。シグネチャーのエスプレッソマティーニをはじめ、季節ごとに替わるメニューやクラシックカクテルのツイストなども揃う。
LIQUID FACTORY(渋谷)
フレーバーや旨味を追求する、“液体の実験工場”
インダストリアルな雰囲気の店内、カウンター奥には金網で囲われたラボのような一角が。中には蒸留器をはじめとする専門器具の数々。オーナーの齋藤恵太さんは、「食材から香りや味を抽出して、リキュールなどカクテルの素材を作っています。フレッシュで濃厚なフレーバーを使うことで、唯一無二のテイストを感じられるように」と話す。
定番カクテルの一つ「シトラス&コー」は、バリスタが工房で焙煎したインドネシア産のコーヒーがベース。機材で仕込んだビターオレンジのリキュールとカフィアライムの葉を合わせ、ソーダでアップ。すっきりとした苦味の中に爽やかな甘味が浮かぶ、夏らしい一杯だ。
æ(ash)[zero-waste cafe & bar](渋谷)
サステイナブルな視点で考える、新たな一杯
2022年、SG Groupとバリスタ日本チャンピオン・石谷貴之さんがタッグを組み開店。素材選びや店作りの観点から、廃棄物ゼロを目指している。カクテル「コアントローカプチーノ」には、エスプレッソ抽出時に使わず残る半分や、カフェラテで使用したスチームミルクの余剰を使用。
「コールドブリュージントニック」は、通常ジントニックで使うライムの代わりに、アプリコットのピューレで酸味を加える。豆は石谷さんが配合比を決めたブレンドで、浅煎りは〈Leaves Coffee Roasters〉、深煎りは〈OBSCURA COFFEE ROASTERS〉に焙煎を依頼。バリスタの滑川裕大さんいわく、「安定感のあるブレンドの味を、新鮮な飲み方で楽しんで」。
Sputnik(代官山)
昼夜で境目のない、街のスタンディングバー
「どの時間帯でも、自由にコーヒーやお酒を楽しんでもらえるように。一日の中で、何度でも“通える”店であることを意識しています」と、バーテンダーの板橋凛さん。欧風のスタンディングカウンターから提供されるオリジナルカクテルは、イタリア語で黒を意味する“ネロ”とつけられた「ネロ コレット」。
水出しコーヒーには、経堂のロースタリーカフェ〈Raw SugarRoast〉の中煎りを使用し、シャルドネ100%のグラッパとトニックウォーターをミックス。仕上げにコーヒーの苦味と調和するビターズをプラスし、ブドウの甘味が立つ一杯に。ほかにも、カルヴァドスとアマレットにエスプレッソを合わせた「ネロ ノルマンディ」など、味わい豊かなオリジナルが揃う。
COFFEE BAR CIELO(三軒茶屋)
スペシャルティコーヒーの流れを汲み、新たに出発
三軒茶屋でオーセンティックバー〈BAR CIELO〉を営む中でコーヒーに魅了され、2023年1月に同店をオープンした稗田浩之さん。「味、品質などが高い水準にある、スペシャルティコーヒーの世界。専門的で奥深く、バーとの共通点を感じました。どのコーヒーとお酒が合うか、組み合わせを考えるのが楽しいです」。
店では産地や焙煎度合いの異なる数種類のコーヒーを用意し、カクテルのレシピに応じて豆をセレクト。エスプレッソマティーニ用にと、淹れたてのエスプレッソを急冷するための氷塊の台まで自作した。「軽いテイストのピスコサワーから、重めのアイリッシュコーヒーまで。多種多様な味を楽しめますよ」。