Awesome Mineral Collection
「このファイアを見て!」と白色のオパールを手に取り、照明にかざすビル・ラーソンさん。手の動きとともに、緑から紫、そしてオレンジ色へと遊色効果が見られるこの標本は、くぐもった白によって輝きが抑えられ、なんとも上品な優美さを誇っている。
「1908年にアメリカ自然史博物館に持ち込まれた標本で、メキシコ産のオパールとしてはかなり巨大。母岩も美しいでしょう?」。その声からは純粋な興奮が聞き取れる。鉱物・宝石商〈Pala International〉を営むビルさんはいかにして、世界一のコレクターと呼ばれるようになったのか。鉱物に目覚めたのは6歳の頃だと語る。
「まだミネソタに暮らしていた頃、近くのミネトンカ湖の周りでメノウを見つけ割ってみると、小さなクリスタルが出てきたんです。それが太陽の光に当たって輝く姿を見て、おー!と、夢中になったのが始まりでした。父の仕事でカリフォルニアへ移住すると、20世紀初頭にトルマリンをたくさん産出した鉱山帯が近くにあったんです。父の助けもあり、8歳の時に鉱山の廃棄所から黒いトルマリンなどを見つけ出し、さらに石の魅力にのめり込んでいきました」