お子さま口にぴったり!?かわいいクリームあんみつ
———松任谷さんのオーダーに時間を要するため、順番を変更しまして、佐藤さんのあんみつ、いきます!
佐藤
あ、来た〜!〈シャトレーゼ〉の季節商品なんですけど、苺のクリームあんみつ(佐3)を。黒蜜をかけたら、ぜひ、思いっきりかき混ぜて食べてみてください。その混ざり具合がポイントなんで。
———追い蜜もご用意してますよ。
秋元
おいしい、おいしい。
松任谷
まずいわけがない。
酒井
イチゴ大福みたい。
松任谷
寒天も好きだなぁ。
秋元
酒井さん、また、男性陣はお子さま口だなと思ってるでしょう。
酒井
ごめんなさい。実は最初、ちょっと、そう思ってました。でも、食べてびっくり。おいしいです♡
秋元
イチゴのコンポートかな、イチゴソースみたいなのがおいしい。
松任谷
これ、今度買いたい。
佐藤
すごくバランスがいいと思うんです。この価格でこのクオリティ。子供がたくさん来た時とかに、知っていると重宝します。
———続いて酒井さん、いきましょう。京都〈光悦堂〉の御土居餅(酒2)です。
佐藤
お餅が軟らかい。
松任谷
まろやか。
秋元
あんこって、やっぱり塩分とのバランスですね。
酒井
私、塩味が効いた小ぶりなお菓子が好きなのかも。このこしあん、舌触りがとても滑らかでしょう。京都には、こういう餅菓子屋さんが多いですよね。近所に欲しいお店です。
———佐藤さんのラスト、〈パンタイム〉のあんバター(佐2)です。
酒井
和風マリトッツォみたい。
佐藤
芦屋のパン屋さんなんですけど、いつも行列していて。ピロシキとか海老カツサンドとかもおいしいんですけど、一番人気があんバター。
僕はそんなにスイーツが得意なわけではないんだけど、名物というので食べてみたら、すっごくおいしかったんです。
酒井
バターの量もたっぷり。あんこはさっぱり。
秋元
これは旨い!
松任谷
このパン、相当旨い。
秋元
パン自体がおいしいですよね。
———いよいよ、大トリ。究極のあんトーストセット(松3)です。
松任谷
大いに、追いあん、追いバターをしてください。あ、皆さん、バターが全然足りません。
佐藤
この炭水化物と糖分の量、ハンパないですね。
秋元
だから、おいしい(笑)。
松任谷
このメンバーは好きだろうと思った。
秋元
でも、これはやはりずるいですよね(笑)。編曲家・松任谷正隆のすべてが詰まってますよ。
佐藤
さすがの構成力。
酒井
あんバタートーストの時は、バターを塗るのではなく、のせるのが好き。均等の味にしないで、ムラを作りたいんです。
世界の中心であんこを叫ぶ?2022年あんこの旅?
———では、そろそろ、みなさんに総論をお願いします。
秋元
あんこは、豆のおいしさに尽きると思います。かつて〈京味〉の西健一郎さんが、時々、丹波の小豆でほとんど砂糖を入れないぜんざいを作ってくれたんです。つまり、究極の豆のおいしさを味わわせてくれた。それを思い出しました。
あんこのおいしさは豆のおいしさに尽きるんだけれど、同時に、その豆のおいしさに、例えば、揚最中の皮の塩味とかバターの塩味、パンのサクサク感やフルーツとかを合わせる、といった、職人さんたちの努力で新しいおいしさが生まれている。
和菓子はあんこが中心です。いや、世界の中心はあんこなのです(笑)。
意外だったのは、可士和さんのかき混ぜたあんみつ。僕は〈おかめ〉でも〈梅むら〉でも、あんみつは混ぜない派。あの「混ぜる」というのは、新しい宇宙でしたね。
松任谷
和菓子は研究途上。まだまだ氷山の一角をさまよっているような状態です。もともとは、こしあん派だったんだけど、今回、あらゆるあんこと格闘して、少しつぶあん派に傾いています。
さっきも言ったけど、小豆の皮の渋味にはまっています。そこに極意があるような気がする。しばらく、あんこの旅に出てみようと思います。
酒井
子供の頃、母の作るあんこはつぶあんでしたが、ある時、〈銀座立田野〉で御膳汁粉を食べて、そのおいしさに衝撃を受けた。それ以来、こしあん派です。
私もあんこは、中心として常にあるもの。それに、炭水化物とか動物性脂肪とか果物とか、何をプラスするかによって、保守にも革新にもなりますよね。そして、久しぶりに和菓子作りの楽しさを思い出しました。また、作ってみようかな……。
佐藤
皆さんの表現を見せていただいて、面白かった。個性が出てましたよね。正隆さんのトーストに、プロデューサーの真骨頂を見ましたし、酒井さんとは付き合いが長いのに、和菓子少女のエピソード、初めて知りました。
4人
いやいや、楽しかったです。ありがとうございました。