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みんなの、最高の時間。/声優・上坂すみれ

photo: Kaori Ouchi / text: Shinichiro "JET" Takagi / styling: Natsumi Sano / hair&make: Yumika Sawanishi / 衣装協力: F i.n.t HOME(フィント ラフォーレ原宿店 〒03-5843-0395)

ライフスタイルが変化する今日、最高の時間は人それぞれ。誰かの“とっておきの過ごし方”や、“生活の知恵”を知ることで、豊かな明日につながる。サントリー ザ・プレミアム・モルツの情報サイト「みんなでつくろう!#最高の時間」と、「BRUTUS.jp」のコラボレーション記事では、アーティストやクリエイターにとっての「最高の時間」にフォーカスを当てる。「学ぶ」「聞く」「味わう」「遊ぶ」「見る」の5つのテーマから、話を聞いてきた。

声優業を中心に、ラジオパーソナリティやアーティスト活動などマルチに活躍する上坂すみれさん。彼女は趣味が幅広いことでも有名だ。映画だったら東映や日活の過去作を数多く観賞、音楽はメタルやニューウェーブ、歌謡曲、アニメは『装甲騎兵ボトムズ』など、「平成生まれ、昭和育ち」と自称するのも頷ける。「すみぺ」の愛称で多くのファンから親しまれ、本業や趣味から、超多忙な日々を過ごしていたが、昨年からはゆっくりとした時間を手に入れた。

「家にいる時間が多かったので部屋の掃除をしていました。本や漫画が家のスペースを占めていたので、持っておきたい本を除いて、一気に300冊処分して電子書籍に切り替え。今まで本は“紙派”でしたが電子って便利ですね(笑)。1冊読んだら、“おすすめ機能”で普段読まないジャンルにも手を出せます。今は、お酒に関する歴史書『酒場の文化史』をiPadで寝る前にお酒を飲みながら読んでいます。読書をする機会が増えて最高ですね」

そして多くの趣味を持つ上坂さんにとって、5つの最高の時間とは?

BRUTUS サントリー 上坂すみれ

「久しぶりに黒澤明監督の作品を観ました。最後に黒澤作品に触れたのはNHKの『没後10年 黒澤明特集』で全作を観て以来なので約12年ぶり。若き三船敏郎さんがとにかく格好良い! 彼が出演した、『酔いどれ天使』(1948年)や『野良犬』(1949年)は、戦後間もない闇市がロケ地、現代と比べると外国のような印象です。そこから『東京のヤミ市』(松平誠著、講談社学術文庫)を読むと、外国のように見えた“闇市”の印象が変わりました。例えば新宿だったら、昔から雑然と飲み屋が並び、今の新宿歌舞伎町に近い様相をしていたのだとか。時の流れで街の景色は変わるかもしれないけど、根本は変わらないということを学びました」

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「80年代の歌謡曲やメタル、テクノポップやニューウェーブを聴くのが最高の時間です。自分が生まれた1991年以前の音楽に惹かれるのは、個人的な記憶や自分史と関連しないので、純粋に音楽として楽しめるから。あと、ヴェイパーウェイヴ(歌謡曲のリミックスや、バブル期に生産された電子機器をサンプリングした楽曲などを指す)も聴きますね。昔から、90年代のWindowsの起動音を集めたYouTube動画を夢中になって観ていたので、同じ感覚のミュージシャンがいることに感動しました」

BRUTUS サントリー 上坂すみれ
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〈中本〉では北極ラーメンをよく食べる上坂さん。

「家では瓶でお酒を飲むようになりました。今まではお酒は“缶派”でしたが、朝起きた時に家中に空き缶が出しっぱなしだったり、ゴミを捨てる時にこんなに飲んでしまったのか、という罪悪感が……(苦笑)。でも、瓶は“これ一本で今日は終わり”って決められるんです(笑)。あと、デリバリーで料理を頼むようになりましたね。女性だと一人で入りにくいお店の味が楽しめるので、すごく嬉しいです。よく注文するのは〈蒙古タンメン中本〉や家系ラーメン」

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愛猫のメロウくん(シンガプーラのオス、4歳)。

「自宅で飼ってる猫・メロウ(シンガプーラのオス、4歳)と遊ぶ時間が増えたので、彼の知らない一面を垣間見ました。日向ぼっこする時はこの位置にいつもいるんだ、窓から鳥を眺めながら前足を動かす仕草をしてたりするんだ、とか。4年間一緒にいて、初めて知ることの連続です。最近は、お布団に入ってきて一緒に寝るようになったり、今まで以上に良好な関係を築けている気がします」

BRUTUS サントリー 上坂すみれ
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「高いところから街を俯瞰してみると、なぜか落ち着くんです」(上坂さん)

「声優って台本を読んだり、モニターを見ることが多いので、PCや本に目を通してると、どうしても“仕事モード”になってしまうんですね。だからビールの泡が上っていくさまとか、猫のひげ、お風呂の水面、花のつぼみ、太陽と影の移動……そういう“無”になって何かを観る時間を大切にしています。それは瞑想に近く、とてもリラックスできます。東京タワーやスカイツリーから、東京の夜景を観るのも好き。一人でぼんやり眺めて、心をリセットします」

自宅で充実した生活を過ごす、声優の上坂すみれさん。最後に「最高の時間」を過ごすための彼女なりのアドバイスをもらった。

「自分で自分の機嫌を取るのが最高の時間に近づくためのルーティンです。私にとっては“好きな洋服を着る”こと。街に出る時もそうですが、ステイホームだったとしても、まだ着ていなかった服を出してみたり、あえて家でメイド服やチャイナ服を着てみたり、テンションが上がる服を着ることで、メンタルの底上げを図ります。余裕がないと服を選ぶのも億劫になってしまうけど、逆にいえば、そこで“今余裕がないんだ”って気づけることも大事。だから、一日一日、好きな服を選び、好きな服を着るような心持ちにしていると、最高の時間が作れるのかなと思います」

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花をぼーっと見つめるのも、上坂さんにとって最高の時間。

#01 dodo(ラッパー)
#03 桑島智輝(写真家)
#04 丸山ゴンザレス(作家・ジャーナリスト)
#05 三野新(舞台作家、写真家)
#06 AAAMYYY(ミュージシャン)

サントリー ザ・プレミアム・モルツ「みんなでつくろう!#最高の時間」情報サイトも公開中。