井の頭自然文化園
身近な生き物を再発見できる、地域密着型動物園
私は約50年間にわたるキャリアの多くを多摩動物公園と上野動物園の獣医師として過ごし、60歳で井の頭自然文化園の園長になりました。同じ都営の上野や多摩と比べると、世界中の動物がいるわけではなく、ネームバリューに欠ける面も。でも、武蔵野市と三鷹市という2つの地域に根ざしており、日常生活に溶け込んでいる、とてもいい園なんです。
職員やボランティアと一緒に自然の中で遊びながら、生き物を見つける「いきもの広場」を始めたのは、私が園長だった時のことです。身近な生き物の存在に気づかせ、理解を深めさせ、人間と動物の共存を促すのも動物園の大切な役割だと思うんです。
園内には水生物園や彫刻園などがあり、自然や生き物だけでなく、芸術にも触れ合うことができます。これが動物園ではなく“文化園”という名前がついているゆえんです。この自然に恵まれた空間を散策し、カフェでコーヒーを飲んでいるだけでも癒やされますから、ぜひ気軽に立ち寄ってみてください。