Rest 2021.1.5 Rest 休む 2021.1.5 まずは坐ってみる。坐禅をスタートしたい人のための基本形 日本文化には型がある。インドから中国を経て伝わったとされる坐禅にも、一つの型がある。姿勢、目や口の状態、呼吸はどうする?坐禅指導を行う藤田一照さんに聞いた、坐ってみたい人のための基本形、現代版。これが禅のスタートであり、これが一つの答えだ。 Illustration: Kanta Yokoyama / Text: Junya Hirokawa 座禅の基本形、現代版 「上虚下実」が理想型己のゼロポイントを探求 坐骨を中心に地面とつながり体幹を支える下半身 手の置き場を決めて両手を重ね骨格で姿勢を支える 目も耳も思考も追わずすべての感覚をただ受け取る 「上虚下実」が理想型己のゼロポイントを探求 坐禅中に目指すべきは、下半身が充実し、上半身がリラックスした「上虚下実」。立って動いている状態と横になって静かに寝ている状態とをつなぐ、動をはらんだ姿勢が坐禅。立ち姿と寝姿の間にある自然体を求めて、そこから出かけそこに帰ってくる、生きる上でのゼロポイントとなる姿勢を探っていく。椅子に坐ってもOK。永く続く自分の坐禅を。理想となる型を大切にしながらも、必ずしもそれにとらわれないのが藤田さん流。上半身を支える土台作りには、自分の身体の状態に合わせて、椅子を使うのも有効。高齢者やカラダが硬い人も坐れる、現代に即した、難行苦行ではない坐禅を提唱。 坐骨を中心に地面とつながり体幹を支える下半身 下半身は、坐禅の礎となる土台。座布団の上に坐禅用の坐蒲を敷き、坐骨を意識しながら坐り、脚を組む。尻は坐蒲の上、両膝は座布団の上に安定させる。安定感が増す脚の組み方に、右足を左腿、左足を右腿にのせる「結跏趺坐」やどちらか一方をのせる「半跏趺坐」がある。優先すべきは、左右の坐骨と両膝の4点でグラウンディングし土台を築くこと。場合によっては、足はあぐらにしても、椅子に坐ってもいい。下半身の役割は、あくまでも、安定した土台形成にある。自分が最も快適で安定するような脚の形で、体幹をバランスさせ深くくつろがせることが最優先。体幹が幹で、脚は枝。地面でも、椅子でも、身体の重さを地球に完全に委ね、預け、任せる「全託」にて坐るべし。手の置き場を決めて両手を重ね骨格で姿勢を支える 座禅における上半身は、手と腕の置き場所を探すことから。首をすぼめ、左右の肩甲骨ごと両腕を2、3回後ろに回す。両肩を上げてその後、左右の肩と肩甲骨を持ち上げた状態から、真下に放り出した場所が、腕のあるべき場所となる。 手は、脚を組んでいる場合は足の裏に置き、組んでいない場合は最も安定すると感じる場所に安らかに置く。手のひらを上向きに、左手を右手にのせ、4本の指をそっと重ねる。手は力を入れず、親指同士の先端をそっと付け、楕円の形にして心をそこにも通わせること。手は心の姿。姿勢は、筋肉で維持するのではなく、背骨のお腹側が支えてくれていると意識して、頭のてっぺんから左右の坐骨の中点まで一本の軸を通す。上半身は、骨格で支えるべし。 目も耳も思考も追わずすべての感覚をただ受け取る 目は開くでも、閉じるでもなく、自然に視線を落とす。焦点はどこにも合わせず、目が落ち着く「半眼」の状態で、入ってくる光をただ受け入れる。耳も音を聞こうと緊張させない。口は軽く閉じ、歯は噛み合わせず、顎は緩めておく。視覚も聴覚も、嗅覚も味覚も触覚も、すべての感覚をくつろがせ解放する。外からクルマが走る音が聞こえ、口の中で昼に食べたカレーの味がしたとしても、その時起きてくる感覚をそのまま受け取るだけで、解釈したり、言葉にしない。浮かんでくる思考も追わず払わず、思考に引きずられそうになったら、崩れた姿勢を正して、一から出直す。呼吸は自然のままに。出る息は最後まで見守り、入る息は入るに任せる。息と息の間を大切に。 #禅/ZEN デイリーブルータス #83 瞑想入門 禅とZENとマインドフルネス、その境界線とは。川上全龍(僧侶)×石川善樹(予防医学研究者) 壁画からVRまで古今東西の瞑想を語る。ロジャー・マクドナルド(美術史家)×円香(現代魔女、VRアーティスト) Videos 動画 【11/15発売】沁みる映画。 Videos 動画 【11/15発売】沁みる映画。