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絵本作家・tupera tuperaの「私の食堂、私の一皿」。〈グリル小宝〉のハイシライス

洋食には「おいしい」や「好き」だけではない思い出や物語があります。あの人は、どんなメニューが好きなんだろう。洋食を愛する絵本作家・ツペラツペラさんにお気に入りの食堂と一皿を綴ってもらいました。特別な一皿をどうぞ。

photo: Kunihiro Fukumori / edit: Rie Nishikawa

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京都・岡崎〈グリル小宝〉のハイシライス

寄稿・tupera tupera

グリル小宝〉は、岡崎の美術館や動物園に行った後に、家族で行くことが多い。まず〈小宝〉という名前がめでたい!行っただけでご利益がありそうだ。

店内は気取った感じがなく、気遣いもさりげない昔ながらの洋食屋さん。メニューを広げると、あれもこれも食べたい気持ちになるのだけれど、やっぱり頼んでしまうのは大盛りの「ハイシライス」!硬めのご飯一粒一粒に、甘くコクのあるソースが絡み合ってとても美味しく、子供でもぺろりと平らげてしまう。

そしてここでは、お水のお代わりをするのを忘れてはいけない。ご主人が高所からお水を注いでくれるその美しい手捌(てさば)きに、ブラボー!と叫びたくなる気持ちをグッとこらえて、みんなで目を合わせてにっこりと笑いあう。お腹も心も満腹にしてくれる京都の名店だ。(筆)

京都〈グリル小宝〉のハイシライス
18日間かけて煮込んで作るドビ(デミグラス)ソースをたっぷり使っている。1,400円。

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