Love

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愛する

それぞれの「焼肉♡愛」西野七瀬、内田雄馬、市川紗椰、ハラミちゃん、岡宗秀吾

自分の馴染みの店は、人にも薦めて喜びを共有したくなる。好きという言葉ではちよっと足りない情熱。そう、これは愛の話だ。

Photo: Tetsuya Ito(Nanase, Okamune), Taro Hirano(Harami, Ichikawa) / Text: Asuka Ochi(Nanase, Okamune, Ichikawa), Chisa Nishinoiri(Harami) / Styling: Kanako Onitsuka(Nanase), Mari Tsujimura(Ichikawa) / Hair&make: Yuka Noguchi(Nanase), Mariko Chiba (Ichikawa)

四半世紀をかけて辿り着いたのは
地元に根づく、住宅街の名店

普段からマークしてる飯ってあるじゃないですか。僕の場合、その筆頭が焼肉なんです。22歳で上京したての頃はテレビ業界もバブリーな時代だったから、毎晩、焼肉と寿司の連続。もともとホルモンカルチャーが強い関西で育ったヤツが、東京でベストの焼肉道に入ったようなもんですよ(笑)。

そうやって人のお金で高級な部位まで食べていた時代から、ソロ活動も含めて約25年、評判を聞いては必ず食べに行くことを続けています。そんななかでも好みの店は、いわゆる高級店や有名店以外で、王道のカルビ、ロース、ハラミ、タンに抜かりがないところ。日常的に食べたいから、普段使いできる値段も重要ですね。

〈松寿苑〉は3年前、車で道に迷って前を通った時、一緒にいたスタイリストの山本康一郎さんが何かを感じ取って発見して以来、大好きな店。肉の質はもちろん、脂身の残し方や繊維を考えた切り方が、とにかく素晴らしい。親身な接客やサービスにも家族経営の良さが溢れ出ていて、感動するんです。

テレビディレクター・岡宗秀吾
住宅街の真ん中で48年、大きめにカットされた肉は食べ応えも十分。カルビもロースも¥968。岡宗さんはライス大とともに。2019年に改装し、店内は広々。テーブル席も。

焼肉はみんなで食べてなおおいしい
万能コミュニケーションツール!

「ハラミちゃん」の名前は、もちろん大好きなお肉のハラミが由来ですが、学生の頃まではカルビとか主役級のお肉の方が好きでハラミの魅力はわからなかったんです。でも会社員時代、残業で疲れ切っていたとき、深夜に食べたハラミがめちゃくちゃおいしくて。人は食べるために生きてるんだ!

おいしいものってこんなに人を幸せにしてくれるんだ!ってドーパミンが出まくったんです。以来、ハラミは私の人生になくてはならないもの。焼肉が好きすぎて週5で食べていた頃もありましたが、今は少し減って週3くらい(笑)。

焼肉 きん肉屋〉は、量が多くておいしくて、そのうえ安さにびっくり。ここのハラミは厚切りでめちゃくちゃ軟らかくて、最高なんです♡。店主の松川栄基さんの優しい人柄、明るい店内は居心地がよくて、仕事の打ち上げ来店回数ダントツです。焼肉はみんなでワイワイ食べるのが好きなんです。お肉を囲んで会話が広がる、おいしい万能コミュニケーションツールだと思います。

ピアニスト・ハラミちゃん
「美味しいお肉を健康的に」をコンセプトにA5ランクの黒毛和牛が良心的な価格で楽しめる。肉厚のハラミ「ハラミノハラミ」は200gで¥1,960。メニューにはカロリー、たんぱく質、糖質など栄養成分の表示つき。

ベジタリアンから肉好きに転向
魅力に気づかせてくれた日本の焼肉

アメリカで育った私にとって、お肉といえば硬くて旨味がないイメージ。中学まではベジタリアンでした。15歳で日本に来てからも塊肉は避けていたんですが、撮影現場でやむなく食べた〈叙々苑〉の焼肉弁当が、軟らかくて驚いて。

そこから、当時の稀少部位ブームに乗って食べたミスジやザブトンに感動したり、牛のブランドや部位の違いによる味や旨味の差を知るのが楽しくて、食べ歩くようになりました。その後、自分のなかの赤身ブームやホルモンブームなどを通過して、今はこの店ならこの部位という食べ方をしています。

なかでもハラミとなったら、〈三宿トラジ〉ですね。お肉ってボリュームがあるとテンションは上がるんですが、多少面倒くさい時ってあるじゃないですか。でも、ここのは分厚いのに歯切れがよくて、甘味もあって本当においしい!よく食レポとかで言う“肉汁”には騙されないぞと思ってたんですが、こういうことか!と、このハラミを食べてようやくその意味が理解できました。

モデル・市川紗椰
創業25年、2010年に三宿から移転。新鮮な生の黒毛和牛のみ使用。ハラミは程よい霜降りのトラジ焼きと赤身の強いサガリ各¥2,860の2種。

おいしく焼くための探究心も
日夜、焼肉屋へ向かわせる原動力

恵比寿でお仕事があった時期、毎週〈おおにし〉でランチ焼肉をして、現場終わりでまたスタッフさんと来る、ということを繰り返していました。その頃、別の焼肉屋含め週5〜6回、昼も夜も焼肉を食べていたら、1年で10㎏くらい太ってしまって(笑)。

オーダーは、いつも決まって2〜3人前の赤身の盛り合わせと上タン。これをライスでなく、食べ放題のキャベツで食べるのがお決まりですが、今日はハラミも追加で!最高だなぁ〜。焼肉って元気が出るんですよ。

みんなで来た時は、僕が焼きます。おしゃべりが楽しくなって焦がしてしまわないように。一緒にいる人に最高の状態を楽しんでもらいたくて。店ごとにロースターも肉の切り方も違うから、そこでのベストな焼き方を知るために、足繁く通って練習していますね。レア感を残しながら、どこまで焼けるかを探求したりして。いい具合に焼けると、ロースターが肉の脂で黄金色っぽく輝く。それがもう、何とも言えず、美しいんです。

声優・内田雄馬
カウンターの焼肉店。切りたてで出す肉は鮮度抜群。ネギたっぷりのボンハラミステーキ¥4,400〜(200g〜)が焼けるさまに「かわいい!」と喜ぶ内田さん。

外で食べること=焼肉!
おいしいし、楽しいから大好き

おばあちゃんの家が焼肉の聖地といわれる大阪の鶴橋にあって、駅を降りると肉を焼く匂いがすごいんですよ。それが関係あるのか、家族もみんなお肉が好きで、家でも外でもよく食べていました。
高校時代は学校帰りにしょっちゅう焼肉の食べ放題に行ったり、今も友達とご飯行こう、ってなったらほとんど焼肉!

『千と千尋の神隠し』のカオナシみたいに、底なしで食べられちゃう日もたまにあります。特に赤身、ハラミ、タンと、ユッケなどの生肉が好き。ほかのホルモンは食わず嫌いだったのですが、少し前に、桜井ユキちゃんとご飯に行ってミノを食べたらおいしくて。ついにホルモンへの第一歩も踏み出せたんです。

食欲がなくても焼肉って言われたら、みんなに会いに行っちゃいますね。焼肉っておいしいだけじゃなく、楽しいんですよね。