フランス
味のある釣り小屋を手に入れて、
ちょっとしたバカンスに利用
フランスの漁村に古くから存在するのが、このカラフルなカバンヌ・ドゥ・ペッシャー、漁師が使う釣り小屋。漁業と、道具の保管のために作られ、浜から至近のところに多く見られる。最低限の材料で建てられた内部はいたってシンプル、ほとんどが一部屋で使い勝手はよし。現在では、ピクニック、魚釣り、海水浴など、週末のレジャー用にも使われ、大人気です。
スペイン
伝統的建築構造を現代風に再解釈、
「エコ」にこだわる賢い小屋
革新的なエコ建築で注目されるスペインの建築事務所、〈エコシステマ・ウルバーノ〉のカーサ・ラノン。北スペイン、アストゥーリアス地方の伝統的穀物貯蔵倉の建築構造を現代風に再解釈したもの。小屋の下の敷地も含み自然破壊を最小限に抑え、換気穴などの工夫で冷暖房も無用。素材にはスチールと木を使っており、たたむこともリサイクルすることも可能です。
ローマ時代以前から変わらない
北西スペインの藁葺き屋根の住居
パリョーサは、スペイン北西に位置するアンカレス山脈の村々に見られる伝統的石造り、藁葺き屋根の小屋。特徴はその円錐形の屋根と直径10mから20mの円形または楕円形の壁。ローマ時代以前に作られるようになった住居だといわれ、20世紀後半まで孤立した山々の村で使用されていた。現在でももちろん現役で活躍。よいアイデアとは長持ちするものです。
デンマーク
コンセプトは登ること。
木登りをした子供の頃に戻って
1996年に開催された有名建築家による小屋のコンペ。その後、出展作品の一部はルイジアナ美術館のコレクションに。スウェーデンの建築家、ラルフ・エアスキネによる塔のような小屋も、作品の一つ。塔は木登りをするイメージを形にしたとか。小屋の中を登っていき、そしてテラスになった屋上でピクニック。外壁は蔓草が絡むようにと格子状になっています。
量子論の父、ニルス・ボアの
サマーハウスは長細いサイドボード
ニルス・ボアの依頼を受け、サマーハウスを設計したのはルイジアナ美術館で有名な建築家、ヴィルヘルム・ボーラート。住宅を一つの家具として捉えた結果出来上がったのは、中が4つに仕切られたサイドボードのような細長い建物。雨戸、庇とマルチな機能を持つ木製扉を開けると、中はそれぞれ独立した部屋。それぞれの移動は外のデッキを通してのみ可能です。
フレキシブルなキューブ。
アルネ・ヤコブセンのKubeflex
サマーハウス用として1970年に発表された、ボックス形プレハブ住宅、キューブフレックス。3.36×3.36mのキューブを組み合わせ、用途に合う住空間を作るもの。壁となるパネルにもドア付き、窓付き、ガラスなどのバリエーション。だが発表当時、このアイデアはあまりにも斬新で、結局生産されたのは試作品のみ。試作品は現在トラップホルト美術館のコレクションに。
カナダ
持ち運びも自由自在。
フリーな球体小屋なのだ!
カナダのヴァンクーヴァー・アイランドに誕生した究極の球体小屋。大きいもので直径約3.2mの球がロープで宙に吊られる。持ち運び自由自在、購入はもちろん、1泊125カナダドル(約10,300円)〜でレンタルも可。大自然の中、揺り籠のように風に揺られて、安眠も約束されたようなもの。子供の頃憧れた、こえだちゃんの家も顔負けの本格的大人のツリーハウス!
ドイツ
モービルリビングを追究した
プロダクトデザイン小屋
ヴェルナー・アイスリンガー設計のロフトキューブは3日で組み立てが可能という、2005年に発表されたモジュールハウス。「家から離れていてもアットホームになれる空間」を想定。幅約7m、高さ3.5mで、四方がガラス張り。ビーチで山で、テレビのスタジオやデザインホテルの屋上でと、タウン&カントリー両用の、眺めのいい小屋です。
子供と楽しんで寛げる家族用
ツリーハウスはバルコニー付き
木の上だからって狭い思いをする必要はない。そのことを実証してくれるのが北ドイツにあるDjuren(ジューレン)と名付けられた〈バウムラウム〉作のツリーハウス。木の薄板が施された、白い壁のカーブが特徴のキャビンで寛げるのはもちろん、テーブルと椅子を置ける大きさのバルコニーではゆったりと食事も楽しめる。大人も子供も一緒になって遊んで寛げる樹上の小屋。
イタリア
未来の小屋はこんな感じ⁉
最新型アルピーン・カプセル
満天の星の下で快適に眠りたい。そんな願いをデザイン界の異才、ロス・ラヴグローヴ様が叶えてくれる。彼が今イタリア・アルプスのアルタバディアにあるスキー場用に開発中のこの未来型小屋は、特別反射コーティングを施した直径8mのガラス製のカプセル。ソーラーパネルと風力タービンが合体した装置で電気も完備。寛いで360度の星空風景を楽しめる。
アメリカ
コロコロ~ッと、草原をどこまでも。
1台(?)欲しい、「転がる小屋」
足元に注目!ワシントン州にあるこの小屋、なんと車輪付き。場所や向きを自由に変えられるだけじゃなく、高床式だから眺めもよくて、洪水にも対応できる。夏は灼熱、冬はドカ雪という当地の厳しい気候からも、独特なスチール屋根が守ってくれる。RV車として認可も得ていて、何軒(何台?)も集まっている様子はゴツイ木馬の群れみたいで相当ラブリー。