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週末の酒がうまい、BRUTUSの聞くレシピ Vol.41「ポルチーニのホットポテトサラダと、焼酎《謳歌》のソーダ割り」

最近、周りに料理上手な友達が増えてきた。どこの料理人から教わったのか、ちょっとしたひと手間で、ゲストを喜ばせたりして、なんだか羨ましい。自慢の一品をサラッと作れるスキルがあれば、週末の酒はもっとおいしくなるはずだ。気負わず簡単に作れる、とっておきのレシピを教えてくれるのは、料理家で〈and recipe〉主宰の山田英季さん。さて、今回のメニューは……。

前回オリーブオイルレモンバジル素麺と、微発泡のロゼワインも読む。

photo & text & recipe: Hidesue Yamada

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9月の秋はなんとなくまだ暑い。気分屋の空が、スコールなんていう雨を降らす。ザッと降った後は、晴れもせず、ぐずぐずと曇り空になり、心もどこかパッとしない。

そんなときでも窓からの涼しい風や、雲の隙間から漏れる光、鳥の鳴き声なんかが聞こえると、気分屋の秋空も悪くないなんて思う。

さて、秋といえばキノコだ。スーパーに行けばいつでも手に入るようになったとはいえ、舞茸なんかは天然の大きなものが出回ったりして、味も香りも良い。今回は、キノコを使ってみんな大好きなポテトサラダを作ります。

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まずは、舞茸を手でほぐし、マッシュルームは手で半分に割ります。キノコは包丁で切るより、手で割いた方が、キノコらしい食感で美味しい。

続いて、サラミを細切りにする。ベーコンでもいいけど、サラミの方が大人な雰囲気で今回にはちょうどいい。玉ねぎは薄切りにして水にさらしておく。乾燥のポルチーニを水で戻す。ポルチーニを入れるとグッと、高級感が出て、とてもいい。

ジャガイモは、竹串がスッと通る程度に茹で、皮を剥き、熱いうちに塩、黒コショウ、オリーブオイルを入れて潰しながら混ぜる。

オリーブオイルが多くない?と不安になるかもしれないが、これぐらい入れないと意味がない。この香りがキノコとの相性を何倍にもしてくれる。

ジャガイモをペースト状にする様子
ジャガイモはゴロっとした部分とペースト状の部分と、両方を残すように潰すと食感が楽しい。熱いうちにオリーブオイルを加えると、オイルの香りがしっとりと馴染む。

ジャガイモのあら熱が取れたら、水気をきった玉ねぎとマヨネーズを入れて混ぜる。正直これだけでも、美味しい。

ジャガイモとマヨネーズを和える
熱いうちにマヨネーズを入れると分離してしまうので、あら熱が取れてから。何かの具材をマヨネーズと和えている時間は楽しい。

しかし、今回の主役はキノコなので、フライパンにオリーブオイルを温め、舞茸とマッシュルームを入れて、焼き色がつくように炒める。いや、「炒めるというよりは、焼く」が正しい、あまり触らず、動かさず、上下を返していく。

こうすると、余分な水分がしっかり抜け、味や香りが濃くなるのだ。そこに塩とサラミ、ポルチーニを戻し汁ごと加えて、汁気がなくなるまで炒めたら、ケイパーと赤ワインビネガー、きび砂糖を入れて、1分ほど炒める。

ポテトサラダの上に、たっぷりとキノコをのせて出来上がり。

ポルチーニのホットポテトサラダ
出来上がったポテトとキノコは混ぜずに層になるように重ねていく。盛り付けている間もキノコとポテト、そしてビネガーの酸味の香りがキッチンに広がる。

合わせるのは、《謳歌》というオレンジの花のような香りがする焼酎のソーダ割り。キノコを炒めるときに使った赤ワインビネガーの甘酸っぱさと合わさると、より一層、華やかな香りが際立つ。

パッとしない秋の空をものともしない組み合わせ、ぜひお試しください。

《謳歌》のソーダ割
合わせたのは《謳歌》のソーダ割。オレンジの花のようなニュアンスが広がる。

ポルチーニのホットポテトサラダと、オレンジの花の香りがする焼酎《謳歌》のソーダ割り

ポルチーニのホットポテトサラダと、オレンジの花の香りがする焼酎《謳歌》のソーダ割り

材料(2人分)
・舞茸……1パック
・マッシュルーム……1パック
・乾燥ポルチーニ……5g
・サラミ……20g
・玉ねぎ……1/4個
・ジャガイモ……3個
・ケイパー……大さじ2
・赤ワインビネガー……大さじ1
・きび砂糖……ひとつまみ
・マヨネーズ……70g
・塩……小さじ1/4
・黒コショウ……少々
・オリーブオイル……大さじ2

作り方
① 舞茸は手でほぐし、マッシュルームは手で半分に割る。サラミを細切りにする。玉ねぎは薄切りにして、15分ほど水にさらし、水気をよく絞る。乾燥ポルチーニを水(大さじ4)に入れて戻す。
② ジャガイモを皮ごと竹串がスッと通るまで(25分)茹で、皮をむく。
③ ボウルに②と塩、黒コショウ、オリーブオイルを入れて潰しながら混ぜ、あら熱をとり、玉ねぎとマヨネーズを入れて混ぜる(※ここで数種類のキノコと乾燥ポルチーニを炒めてミキサーにかけると、香り高い大人のポテトサラダになります)。
④ フライパンで分量外のオリーブオイル(大さじ2)を温め、舞茸とマッシュルームを入れて焼き色がつくように炒め、分量外の塩(ふたつまみ)を振り、サラミ、戻し汁ごと乾燥ポルチーニを入れて、汁気がなくなるまで、炒め煮にする。
⑤ ④にケイパー、赤ワインビネガー、きび砂糖を入れて、1分ほど炒める。
⑥ 器に③のポテトサラダを盛り付け、⑤を全体にのせる。

《謳歌》720ml
《謳歌》720ml
今回合わせたお酒は、宮崎県の芋焼酎《謳歌》。ロックでも美味しくいただけるが、残暑の季節に嬉しいソーダ割りに。華やかな焼酎を炭酸で割ると、より香りが立ってくる。ポテトの甘さにもよく合う。アルコール度数25%、価格1,749円(編集部調べ)/黒木本店

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