9月の秋はなんとなくまだ暑い。気分屋の空が、スコールなんていう雨を降らす。ザッと降った後は、晴れもせず、ぐずぐずと曇り空になり、心もどこかパッとしない。
そんなときでも窓からの涼しい風や、雲の隙間から漏れる光、鳥の鳴き声なんかが聞こえると、気分屋の秋空も悪くないなんて思う。
さて、秋といえばキノコだ。スーパーに行けばいつでも手に入るようになったとはいえ、舞茸なんかは天然の大きなものが出回ったりして、味も香りも良い。今回は、キノコを使ってみんな大好きなポテトサラダを作ります。
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まずは、舞茸を手でほぐし、マッシュルームは手で半分に割ります。キノコは包丁で切るより、手で割いた方が、キノコらしい食感で美味しい。
続いて、サラミを細切りにする。ベーコンでもいいけど、サラミの方が大人な雰囲気で今回にはちょうどいい。玉ねぎは薄切りにして水にさらしておく。乾燥のポルチーニを水で戻す。ポルチーニを入れるとグッと、高級感が出て、とてもいい。
ジャガイモは、竹串がスッと通る程度に茹で、皮を剥き、熱いうちに塩、黒コショウ、オリーブオイルを入れて潰しながら混ぜる。
オリーブオイルが多くない?と不安になるかもしれないが、これぐらい入れないと意味がない。この香りがキノコとの相性を何倍にもしてくれる。

ジャガイモのあら熱が取れたら、水気をきった玉ねぎとマヨネーズを入れて混ぜる。正直これだけでも、美味しい。

しかし、今回の主役はキノコなので、フライパンにオリーブオイルを温め、舞茸とマッシュルームを入れて、焼き色がつくように炒める。いや、「炒めるというよりは、焼く」が正しい、あまり触らず、動かさず、上下を返していく。
こうすると、余分な水分がしっかり抜け、味や香りが濃くなるのだ。そこに塩とサラミ、ポルチーニを戻し汁ごと加えて、汁気がなくなるまで炒めたら、ケイパーと赤ワインビネガー、きび砂糖を入れて、1分ほど炒める。
ポテトサラダの上に、たっぷりとキノコをのせて出来上がり。

合わせるのは、《謳歌》というオレンジの花のような香りがする焼酎のソーダ割り。キノコを炒めるときに使った赤ワインビネガーの甘酸っぱさと合わさると、より一層、華やかな香りが際立つ。
パッとしない秋の空をものともしない組み合わせ、ぜひお試しください。

ポルチーニのホットポテトサラダと、オレンジの花の香りがする焼酎《謳歌》のソーダ割り

材料(2人分)
・舞茸……1パック
・マッシュルーム……1パック
・乾燥ポルチーニ……5g
・サラミ……20g
・玉ねぎ……1/4個
・ジャガイモ……3個
・ケイパー……大さじ2
・赤ワインビネガー……大さじ1
・きび砂糖……ひとつまみ
・マヨネーズ……70g
・塩……小さじ1/4
・黒コショウ……少々
・オリーブオイル……大さじ2
作り方
① 舞茸は手でほぐし、マッシュルームは手で半分に割る。サラミを細切りにする。玉ねぎは薄切りにして、15分ほど水にさらし、水気をよく絞る。乾燥ポルチーニを水(大さじ4)に入れて戻す。
② ジャガイモを皮ごと竹串がスッと通るまで(25分)茹で、皮をむく。
③ ボウルに②と塩、黒コショウ、オリーブオイルを入れて潰しながら混ぜ、あら熱をとり、玉ねぎとマヨネーズを入れて混ぜる(※ここで数種類のキノコと乾燥ポルチーニを炒めてミキサーにかけると、香り高い大人のポテトサラダになります)。
④ フライパンで分量外のオリーブオイル(大さじ2)を温め、舞茸とマッシュルームを入れて焼き色がつくように炒め、分量外の塩(ふたつまみ)を振り、サラミ、戻し汁ごと乾燥ポルチーニを入れて、汁気がなくなるまで、炒め煮にする。
⑤ ④にケイパー、赤ワインビネガー、きび砂糖を入れて、1分ほど炒める。
⑥ 器に③のポテトサラダを盛り付け、⑤を全体にのせる。

今回合わせたお酒は、宮崎県の芋焼酎《謳歌》。ロックでも美味しくいただけるが、残暑の季節に嬉しいソーダ割りに。華やかな焼酎を炭酸で割ると、より香りが立ってくる。ポテトの甘さにもよく合う。アルコール度数25%、価格1,749円(編集部調べ)/黒木本店