さてさて、揚げ物というやつは、いつ食べてもおいしいわけですが、四季折々、それぞれのネタを揚げ、ビールや日本酒、ワインで喉を潤すなんてのは、なんとも粋ではありませんか。
少し涼しくなる気配を感じる最近ですが、秋になると、どうしても揚げたくなるのが舞茸です。お蕎麦屋で食べる舞茸のてんぷらも最高ですが、今日はパン粉をつけてフライに仕上げます。
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舞茸は「天日干し」で旨味アップ
さて、まずは舞茸を大きめにわけ、平なざるに広げ、天日で3時間から半日ほど、太陽にさらします。時間が経った舞茸は、水分が少し抜け、ひとまわり小さくなった印象。「きのこの味が濃くなっている!」と、まだ食べてもいないのに、脳は勝手に判断します。
タルタルソースにきゅうりの漬物!?
お次は、タルタルソースを作りましょう。話は前後しますが、舞茸を干しているときにやってしまうと効率的。一般的にはピクルスを使いますが、今日は食感を楽しみたいので、きゅうりの漬物を使います。コリコリという食感がたまりませんからね。
続いて、ゆで卵を作ります。ここで時短。耐熱ボウルに卵を割り入れます。楊枝なんかで、黄身の部分にツンツンツンと穴を開け、ラップをかけます。そうしたら、電子レンジを600wにセットして、50秒。「チンッ」という合図で出来上がり。
そこに、きゅうりの漬物とクレソンを「トントントン」と刻んでいれ、卵を潰しながら混ぜ合わせます。出来立ての卵にマヨネーズを加えると、熱で分離してしまうので、先に漬物をまぜるというわけです。塩こしょうに、マヨネーズ、ほんの少しのからしを加えて、タルタルソースを仕上げたらひとまず冷蔵庫へ。
次は、いよいよ舞茸フライです
まずはベースを作ります。ボウルに片栗粉、水、卵、塩、黒こしょうを入れてよく混ぜます。そこへ、舞茸を投入し、サラサラのパン粉をふんわりと優しくも大胆につけます。
フライパンに油を注ぎ、170℃一択という綿密に決められた温度まで温めます。
さて、波打つ油の海へ、先ほどの舞茸を、そっと船を送り出すように入れると、「ジュワー」という天国で流れるBGMのような音を立てて、一気に肌色からきつね色へと変化していきます。
揚げたての舞茸フライを最初は、塩で、次はレモンをキュッと搾って、最後にタルタルソースをたっぷりかけて、その度に「サクッ」時折り、「カリッ」と音を立てて、胃袋へと消えていくわけです。
今日は、「秋の味覚、舞茸フライとタルタルソース」でした。
Recipe 秋の味覚、舞茸フライのクレソンタルタルソース
材料 ふたり分 (調理時間:20分)舞茸を干す時間は含まない
・舞茸………………1パック
・パン粉……………適量
・揚げ油……………適量
〈A〉
・片栗粉……………大さじ4
・水…………………大さじ2
・塩…………………ひとつまみ
・黒こしょう………少々
・卵…………………1個
〈クレソンタルタルソース〉
・卵…………………1個
・きゅうりの漬物…30g
・クレソン…………1束
・塩…………………ひとつまみ
・黒こしょう………少々
・マヨネーズ………大さじ3
・牛乳………………大さじ1(無くてもOK)
【作り方】
(1)舞茸を大きめにわけ、平らなざるに広げ、天日で3~6時間干して余分な水分を抜く。
(2)きゅうりの漬物とクレソンを粗みじん切りにする。
(3)卵を耐熱ボウルに割り入れ、黄身に数カ所、ようじで穴を開け、ラップをかけて600wの電子レンジで50秒加熱する。
*電子レンジによって、加熱時間がかわるので調整してください。
*白身や黄身の中にある空気が膨張して破裂する場合があるので、しっかりラップをしておきましょう。
(4)(3)をスプーンでほぐし、きゅうりの漬物、塩、黒こしょう、牛乳を加えてよく混ぜ、マヨネーズとクレソンを加えて、さらに混ぜる。
(5)ボウルに<A>を入れてよく混ぜ、舞茸につけ、パン粉をまぶす。
(6)170℃の揚げ油に舞茸を入れて、3分ほど揚げる。
(7)器に盛り付け、塩、レモン、タルタルソースを添える。