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満腹、眼福!ギラギラ系中華、増殖中〈撒椒小酒館 上野店〉〈破店〉

近年中国で流行しているド派手なレストランが、続々日本に上陸しているのをご存じだろうか?周囲を中国語と笑い声が飛び交い、ネオンの光が鍋から立ち上る煙に反射する……ビルの中に潜む極彩色の中華ワンダーランドに迷い込んでみよう。

photo: Yu Inohara / text: Koji Okano, Kahoko Nishimura

撒椒小酒館 上野店(上野)

サイケデリック空間と
四川料理に痺れる。

東京〈撒椒小酒館 上野店〉店内
内装のディレクションは店主の張靖東さんが手がけた。北京や上海の若者に人気沸騰中なのが、四川・重慶レストランだとか。

天井には無数のデジタルサイネージが並びながら、テーブルやソファは中国伝統の朱と翡翠のカラーリング。2021年夏上野の雑居ビル7階に出現した四川料理店では、新旧の極彩色がポップに同居する。この空間がさらに混沌とするのは夜。中国出身の客が集まれば湯気と熱気に包まれる。

川魚がド〜ンとのった火鍋やホルモン満載の真っ赤な和え物も、場を盛り上げるオブジェのよう。とびきりの辛さに痺れながら、キラキラ空間に酔いしれたい。

破店(池袋)

麻辣と甘さが共存する、
新しい刺激。

東京〈破店〉店内
店中央のタレコーナーは280円で利用可。鍋の味変に使うのはもちろん、串焼きの調味料にするなど、自由度が高い。

今東京に住む若い中国人がこぞって訪れる〈破店〉は、現地で流行の80年代ムードを詰め込んだ空間。料理も中国東北地方の伝統の味をアレンジしたものが人気だ。店のある3階でエレベーターを降りると、もわっとラムの香りが立ち込める。

正体は、店先で炊き続けるスープ。だが羊料理を置いてまず食べたいのは、麻辣の辛さに氷砂糖などで甘さを足した甜麻鍋だ。魚介の旨味、山椒の爽やかな痺れ、唐辛子の辛さ、まったりとした甘味の組み合わせが不思議とクセになる。