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信頼できる目利きがいる器の店。京都〈うつわと古物 幹〉

旅の目的地になる、魅力的な器の店が増えている。BRUTUSが注目したのは信頼のおける目利きが営み、店頭に立つ現代器作家のギャラリー&ショップ。彼らは、今どんな80〜90年代生まれの新世代作家に注目しているのか?器のこと、作家のことを聞いてみよう。

illustration: Yachiyo Katsuyama / photo: Yoshiko Watanabe / text: Mako Yamato / text & edit: Tami Okano

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古物をリスペクトする作家と、骨董を広く伝えるために

100年を超えて築年数不詳という京町家に並ぶのは、佐賀県唐津や滋賀県信楽、岐阜県多治見などで作陶する現代作家の器。村山健太郎、谷穹(たに・きゅう)ら扱う作家は20名に満たないものの、店主・下西幹さんがこの先も長く一緒にと思う作家にブレはない。「好みは古いものに敬意を払った作り手のもの。派手さはないけれど使ううちに手放せなくなる」という。

松葉勇輝も深く信頼を寄せる一人。「須恵器や土器、古瀬戸といった古陶磁をそのまま写すのではなく、自分なりの解釈を加えて出来上がるものには、今のエッセンスが入っています。経筒をミニチュア化した作品は、薪窯の灰で表情が大きく変わる。楊枝入れとして求められる方もいて、食卓に置かれた姿を想像すると豊かな気持ちになります」と下西さん。

それらと取り合わせてもすっと馴染む古い器は、桃山まで時代を遡るものから普段使いの手頃なものまで、好きという感覚だけを大切にセレクト。若い世代にも焼き物や古物を知ってほしいと願う、下西さんの静かな情熱が凝縮する場所だ。

京都〈うつわと古物 幹〉オーナー・下西幹
唐津の作家を多く扱うのは、かつて下西さんが九州に暮らしていた縁から。店舗は奥に庭の見える1階と、靴を脱いで過ごす2階からなる。

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