人となりに共感する作家の、器も背景も伝える情熱が満ちる
美術館や図書館が立ち並ぶ京都きっての文化エリア・岡崎で、オープン間もなくから存在感を放つギャラリー。海外にも日本の上質な手仕事を伝えたいと、二階堂明弘や小野哲平といった人気作家から岩切秀央ら若手の作品、シングルオリジンの茶葉までを扱う。
1983年生まれ、岐阜県瑞浪市で作陶する打田翠。グラデーションの色合いは、籾殻（もみがら）に埋めて焼き上げることで生まれるものだ。炭化焼締カップ（黒）8,800円。 
展覧会は年に7〜8回開催。
「店を開いてから5年弱が経って、自身の内にあることを作品に写して表現する作り手に強く惹かれます。生活の道具として使うことで豊かさを感じられる、心に響く力を持つ器を紹介していきたい。同時に人間性や暮らし方に共感することが多いので、作り手の背景も伝えることを意識するようにもなりました」と荒谷里恵さんは振り返る。
打田翠は開業時から扱ってきた作家の一人。「魅力を感じるのは、手びねり特有のアシンメトリーな形の柔らかさ。近年は炭化焼成に力を入れていますが、焼き方によってできる色のグラデーションで心象風景を表現するところが興味深いですね」と啓一さん。自然光が降り注ぐミニマルな空間に並ぶ器はどれも健やか。心ゆくまで器と向き合える時間がなによりの贅沢だ。
