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「必要なのは仲間たちと遊び道具だけ」。モデル・UTAが過ごす、代々木公園での夜

酒も要らない、音楽も要らない。そんな夜遊びがある。薄暗い公園で、無人の路上で、必要なのは仲間たちと遊び道具だけ。東京の夜は何もネオンの下だけに存在するのではない。東京を舞台に遊ぶ少年たちの終わらない夜。

photo: ROLLSWYZE / text: Kunichi Nomura / edit: Akihiro Furuya

「夜になるとバラバラだった仲間が集まってくるんです」

バスケをちゃんと始めたのは11歳の頃。通っていた学校がインター(ナショナルスクール)で校庭がすごく小さく、バスケくらいしかできなくて。代々木公園でやるようになったのは15歳くらい。当時は軍人とかアメリカ人ばかり。もう亡くなりましたが、そこにリーダーみたいな元軍人のボビーという人がいて。その界隈の人ならみな知っている、本当にイカつい人で、彼に聞かないとコートにも入れない。“入っていい?”と聞いたら“帰れ!”って(笑)。

とにかくうまくならないとここじゃできないと知って、最初は手前にある初心者の多いコートで練習してました。僕は高校、大学とアメリカだったんで、帰国のたびに代々木に通って、入れてもらえるまでは結構大変だったんです。ボビーは最初“ガキを入れんな”と怒ってましたが、ある日のプレーで“Wow”と驚かせることができて、リスペクトまでいかないものの、努力の成果を認めてもらい、やっと仲間に入れてもらえました。めちゃくちゃ嬉しかったですよ。礼儀一つにしても、代々木には代々木独自のルールがあるんです。

僕はどこの国に行ってもストリートバスケをします。言葉が通じなくても、ボールを見せて、やろうと合図をすれば、一緒に始められる。バスケは最高です。代々木で一緒にやってる仲間はここで友達になったやつばかり。普段バラバラですが、夜になると集まってきたり。僕にとって代々木は聖地で、ここに来ると本当に落ち着きます。

代々木公園でバスケをするモデルのUTA
小さい頃から一緒に代々木に通いだし、出会った同い年の親友との1on1。