「夜になるとバラバラだった仲間が集まってくるんです」
バスケをちゃんと始めたのは11歳の頃。通っていた学校がインター(ナショナルスクール)で校庭がすごく小さく、バスケくらいしかできなくて。代々木公園でやるようになったのは15歳くらい。当時は軍人とかアメリカ人ばかり。もう亡くなりましたが、そこにリーダーみたいな元軍人のボビーという人がいて。その界隈の人ならみな知っている、本当にイカつい人で、彼に聞かないとコートにも入れない。“入っていい?”と聞いたら“帰れ!”って(笑)。
とにかくうまくならないとここじゃできないと知って、最初は手前にある初心者の多いコートで練習してました。僕は高校、大学とアメリカだったんで、帰国のたびに代々木に通って、入れてもらえるまでは結構大変だったんです。ボビーは最初“ガキを入れんな”と怒ってましたが、ある日のプレーで“Wow”と驚かせることができて、リスペクトまでいかないものの、努力の成果を認めてもらい、やっと仲間に入れてもらえました。めちゃくちゃ嬉しかったですよ。礼儀一つにしても、代々木には代々木独自のルールがあるんです。
僕はどこの国に行ってもストリートバスケをします。言葉が通じなくても、ボールを見せて、やろうと合図をすれば、一緒に始められる。バスケは最高です。代々木で一緒にやってる仲間はここで友達になったやつばかり。普段バラバラですが、夜になると集まってきたり。僕にとって代々木は聖地で、ここに来ると本当に落ち着きます。