素朴なのに、旨味が爆発!
木曽の食文化が生んだ蕎麦
すんきは、塩を一切使わずに赤カブの葉を乳酸発酵させる、長野の木曽地域特有の漬け物。その歴史は古く、今も残っている無塩の漬け物は日本でここだけといわれています。こうした木曽の食文化を広める活動に関わって、通っていたときに出会ったのが「すんきとうじそば」。
すんきを漬ける冬に食べられる一品で、刻んだすんきと漬け汁を鉄鍋で煮込んだつゆと、ざる蕎麦が出てきます。そして蕎麦をとうじカゴという竹カゴに入れて、温かい鍋でしゃぶしゃぶして食べます。具は基本的にすんきのみなのですが、これが震えるほどおいしくて!
塩を使わない植物由来の乳酸菌が生み出すアミノ酸は、カツオ節のような海のだしと出会うと旨味が倍増するんですよね。塩で食べてもおいしいくらいの十割手打ち蕎麦を、そんなとんでもないつゆにつけて食べるので、口の中で旨味が爆発している感じなんです。
〈ふるさと体験館〉では、すんき漬け講習会を開催しているほか、名人が漬けたすんきを購入することもできます。どちらもかなり人気です。