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料理家・なかしましほの忘れられない味。京都市〈小川珈琲 堺町錦店〉の季節のフルーツサンドイッチ

「人生変わっちゃったかも」。そう思えるほどの食体験を持っている人は羨ましい。その味への再会を思い浮かべながら過ごす日常は、すでに十分幸福なはず。料理家・なかしましほさんが旅先で出会った、特別でかけがえのない一皿。その思い出を存分に語ってもらった。

illustration: Hagie K / text: Mick Nomura (photopicnic) / edit: Ichico Enomoto

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バタークリームのベストコンディションを狙って

なかしましほのプロフィール画像
photo/Kiyoko Eto

この春、久しぶりに大好きな京都に出かけた際、〈小川珈琲〉の新店舗に初めて行って、フルーツサンドイッチをテイクアウトしたんです。

実は普段、外ではあまり食べないメニューなんですが、フルーツサンドにバタークリームを使っているという珍しさにまずは惹かれてしまって。テイクアウトを信用していないわけではないけれど、自分も店をやっているから、店内で提供するのが最善だということを知っています。

バタークリームっていい状態をキープするのが難しくて、冷えたのが少し緩んだくらいがベストなんですね。ホテルの冷蔵庫でいい具合に冷やして、いい具合に室温に戻して、自分のイメージ通りの状態で食べられたので、それもよかったのかも。

トンカ豆で風味をつけたバタークリーム、旬のイチゴ、上手に薄くカットしたパンのすべてが美しく、ほかにはないおいしさで強く印象に残りました。イートインでも味わいたくて、近々また京都へ行くつもりでいます。季節でフルーツの内容が替わるのも楽しみです。

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